「戦国コレクション」ヴィヴィアン

今回のイラストは、「戦国コレクション×pixiv」という企画で
募集されていたイラストコンテスト用に、PIXIVで公開した
作品です。
アーサー王伝説をベースにして、結構好き勝手にデザインして
います(笑)
ヴィヴィアンは、「アーサー王伝説」にいては、「湖の乙女」
のひとりとされている女性です。

色合いなどはケルトの衣装のものを取り入れてます。
腕や帽子、足にあるマークは「トリケトラ」といい、ケルトの
代表的なマークで「三位一体」を表しています。
ケルトにおける三位一体とは「赤ん坊、娘、老婆」を表して
いて、「魔女」のシンボルとして使われていたようです。
三位一体の思想はキリスト教にもありますが、ちょっと趣きが
異なるもののようですね。

さて、ヴィヴィアンというと、ランスロットの育ての親として
描かれています。
しかしヴィヴィアンは、ランスロットを赤ん坊の頃に誘拐したと
されており、また師承である魔術師マーリンを永遠の牢獄に閉じ込め
キャメロット崩壊の切っ掛けを作ります。
さらに、ヴィヴィアンに育てられたランスロットはアーサー王の妻
グネヴィアと不倫関係になり、円卓の騎士団を分裂させ、挙げ句に
崩壊、アーサー王の側全員死亡、という悲劇を生み出します。
最後、グネヴィアはアーサーの死に傷付きランスロットと二度と
会う事は無くなり、ランスロットは後悔の中、騎士を捨てて出家して
一生を終えます。

アーサー王物語は、「悲劇」なんですね。

そして、この悲劇を生み出す切っ掛けを作った乙女こそが、知恵者で
あったマーリンを閉じ込め、ランスロットという人格を作り上げた
ヴィヴィアンであると言える訳です。

アーサー王物語が悲劇なのは、当時の欧州の人々が、貴族階級役に悲劇
を演じさせることで、格差社会への不満や怒りを晴らし溜飲を下げて
いたという側面もあったようですね。
シェークスピアの四代悲劇も、時代は違いますが、そういった要求に
応えた部分もあるという説もありますし、貴族と悲劇は、切り離せない
ものなのかもしれませんね。

基本的にアーアー王伝説は、アイルランド、イギリス、フランスの
騎士伝説を融合させたものなので、何だか良く分からない事もあります。
湖の乙女なんかは円卓の騎士に首をはねられるという話があるのです
が、次の話ではまたひょっこり顔を出しますw

また最強の二枚目ランスロットがフランス人なんです。また最後まで
負けないのがフランス側、崩壊してしまうのがイギリス側ととらえると、
面白いかもしれませんね(^^)





2011年12月20日