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北へ。サイドストーリ小説『友達』























  北へ。サイドストーリ小説『友達』 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 17:13:17  (修正1回)
  『友達』 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 19:31:38  (修正10回)
  上からの続き。その1 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 20:46:48  (修正4回)
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  上からの続き。その6 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 00:47:26  (修正3回)
  上からの続き。その7 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 01:10:04  (修正3回)
  上からの続き。その8 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 11:02:33  (修正1回)
  上からの続き。その9 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 11:07:55  (修正2回)
  上からの続き。その10 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 11:28:14  (修正2回)
  エピローグ。その1 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 16:25:08  (修正3回)
  エピローグ。その2 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 22:53:46  (修正4回)
  あとがき。 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/11 00:00:45  (修正1回)
  おもしろかったです〜 ろっきゃん@基地祭確率50% 2002/07/12 01:32:52 
  │└100万円ですか?(笑) 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/13 02:20:11 
  読みましたよ! ひで 2002/07/12 02:33:54 
  │└公園へのアクセスは・・・(汗) 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/13 02:52:20 
  こころ和やかになりますね! 長良川の鮎@いくぜ北海道2002 2002/07/12 18:47:09 
  │└優しさ、あっかさ。そして切なさ・・・ 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/13 03:33:52 
  感想です。 Y.M 2002/07/14 23:25:30  (修正1回)
  │└等身大の彼女達。 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/16 01:51:50 
  あわわわ(−−;2002/07/15 09:32:11  (修正1回)
   └素直な涙。 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/16 02:10:53  (修正1回)























  北へ。サイドストーリ小説『友達』 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 17:13:17  (修正1回) ツリーに戻る

北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/09 17:13:17 ** この記事は1回修正されてます
みなさん、今日は。久保 真です。(^-^)
え〜とですね、今回規模の大きな(と言うか文字数の多い)小説を載せ
てみようかな?と思いまして、新規を立てさせて頂きました。
わたしとしては、前から『FS』の様な連載もの以外に規模の大きな小説
レベルのものを書きたいな・・・と言う気持ちがあったんです。
ただここのBBSは、文字数での制限が大きい為に、無理かなぁ〜・・
と思い、掲載を避けていたのですが、どうも自分のHPを持つ事が不可能
に近いと悟りましたので、何かとスペースを取りご迷惑になるやもしれ
ませんが、こちらにて小説クラスの作品を掲載させて頂こうかと思いま
した。

小説と呼ぶには、拙く、おこがましいレベルやもしれませんが、もし皆様
にお付き合い頂ければ、これ幸いです。m(_ _)m

それでは、本編ををご賞味下さいませ。























  『友達』 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 19:31:38  (修正10回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/09 19:31:38 ** この記事は10回修正されてます
『友達』

              『1』

アナウンサー>
・・・さて、みなさん、今日は何のイベントデーか知ってますよね?
その通り!!バレンタインデーです!!
知らない人なんていませんよね?ハハハハハ。
で、もらったチョコ、配ったチョコはどんなチョコでしたか?
義理?本命?それともこの雪景色に合わせてホワイトチョコ?
そういえば、わたしなんて・・・

少女>
はぁ〜・・・何でこう日本人ってヤツは・・・
こんなイベント、単なる企業が金巻き上げる為にやってるボッタクリイ
ベントじゃないか。
まったく付き合ってらんないね・・・

とある大型電気店の家電コーナーにあるテレビに写されている映像・・
アナウンサーをけだるそうに見詰めていた少女は、そう呟きその場をき
びすを返して立ち去った。
時間にして午前10時を少し回ったことろ。
開店してまだ間もない店内は、人影も疎ら。
雑音の少ない状況の為か、背後からテレビの映像の主・・・アナウンサー
の声が少女を追いかけてくる。
少女は、まるでそれを振り切るように歩幅を広げ速度を上げて、その場
を後にした。
如何にも『うんざり』と言う表情を顔に浮かべながら・・・

今日は、2月14日。
まだまだ冬まっさかり。北の大地にとってこれからが寒さの正念場。
外を歩いていると顔に突き刺さる様な空気の感触。
何もせずに立ちすくめていれば、いくらもぜすうちに全身が冷え込んで
くる。
でも・・・
もしかしたら北海道とは、そんな冬にこそ魅力があるのかもしれない。

頬を撫でる、冷たく厳しさを持ちながらも何処までも清らかな空気。
歩みを進める度に、足元から耳へと伝わる雪達のリズム。
そして・・・
ほんの僅かな汚れ(けがれ)でも傷ついてしまいそうな雪達の繊細な白
・・・
特に今日は、とても良い天気。
まだ午前の町中を雪というプリズム達が眩しく光輝かしていた。

少女>
はぁ〜・・・バレンタインね・・・まっ、あたしの知ったこっちゃない
けどね。
学校もフケた事だし、この後どうしようかな・・・
天気は良いけど、このままブラブラしてても寒いだけだしな。

僅かずつ賑わいが増していく町の中を歩きながら少女は、相変わらずけ
だるそうにしながら口から白い息と共にそう言葉を吐き出した。
そして一度大きく両手を空へ突き出す様に背伸びをひとつ。
それと一緒に深呼吸も一つ。
ひややかだけど、冬の薫りをたっぷり含んだとても美味しい空気が肺を
・・・そのまま全身に満ちていった。

少女>
ま、どうせ暇だし、そのへんでもヒヤカシて来るかな・・・
               ・
               ・
               ・

客 1>
ねぇねぇ〜!!これちょうだい!!

客 2>
あたしもこれぇ〜!!

客 3>
うわぁ〜これ何か可愛い!!わたしも買おっと!!

店員>
あ、あの、慌てられなくても商品の在庫は、まだまだありますのでご安
心下さい!!

店員のそんな訴えも店内の険騒の中へと消えてしまった。

下へと続く。























  上からの続き。その1 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 20:46:48  (修正4回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/09 20:46:48 ** この記事は4回修正されてます
上からの続き。その1

ここは、小樽という街にある『運河工げい館』という、ガラス製品を扱うお店。
ここは、実際にガラス職人の素晴らしい腕前を堪能する事も出来る、見
応えのある場所でもあり、そしてお客さんにもガラスの作成を体験さて
くれるコーナーもある。
建物の外見は、ふたつのドームで構成されていて、その独特なスタイル
とどちらかと言うと、実用性よりも繊細で芸術性を売りとしたガラス細工
に人気を得て、今では小樽での立派な観光スポットとなっていた。

照明の光を浴びて輝く作品達。
その輝きは、誰しもの心を魅了する事だろう。
きらびやかなガラス細工が並ぶその店内は、その輝きに魅了された沢山
のお客で賑わっていた。
しかし何故だろう・・・?
今日は、女性のお客さんが随分多い気がする。
ちょっと店内を見渡して見ると・・・?

『あなたと彼の愛しき心を運び続ける恋のリンゴ。お一つ如何ですか?
 ほんのり甘い恋の味・・・』

なるほど。
そう言えばここには、恋愛成就のガラスのリンゴがあると聞いた事があ
る。
バレンタイン故に。
恐らく今ここにいる彼女達は、このリンゴキャッチフレーズに綾かろう
と言う魂胆に違いない。
そんなこんなで彼女達は、売り切れになる前に我先に!!と売り場に殺
到した。
最早、激戦区となっている売り場でただひとり、必死になってお客の対
応を懸命に続けている店員さんがいる。
こんなに忙しいのだから誰か手伝ってあげればいいのに・・・と思うの
だけど・・・
しかし・・・他の店員もお客の対応にてんやわんやな模様。
とても助けを呼べる状態ではなかった。

店員>
こ、困りました・・・もう、わたしひとりでは、対応しきれません。
誰か他にもうひとりここに振り分けて貰えないでしょうか・・・

そうこの店員は、心の中で呟き、辺りをお客に気付かれない程度にキョ
ロキョロと見回してみた。
しかし・・・

店員>
やはり駄目です・・・みんなとっても忙しそうです・・・

そう確認した店員は、手伝ってもらう事を諦め、再び単身奮戦する事に
した。

客 4>
ねぇ〜ちょっとまだぁ〜!!?

店員>
あっ!!?申し訳ありません!!こちらの商品ですね?
消費税含みまして、OOOO円になります。
ありがとうございました。またお越し下さい。

お客にもみくちゃにされながらも、しっかりと丁寧に対応する店員さん。
しかしその瞳には、明らかに疲れの色がありありと見て取れた。
何とか仕事をこなしてはいるけれど、かなり辛そうな様子だ。

店員>
はぁはぁ・・・こ、心なしか・・・気分が・・・

どうしたのだろう?みるみるうちに顔色に陰が差し込んできている。
大丈夫とは、ちょっと言いずらい状態だ。
元々色白なその顔色からさらに血の気を失って行く。
その店員がもう駄目・・・何とか誰かに変わってもらおうと心にしたそ
の時。

少女>
よっ!!大変そうだな?

店員>
えっ!!?

突然後ろから肩を叩かれ、そう声が掛かった。
店員は、驚き後ろへ振り向くと、驚きの表情からみるみる間に喜びの表
情へと変わっていた。
恋愛成就のガラスのリンゴ。
幾分青みの入ったそのリンゴより、更に深く、しかし透き通る青い瞳を
持つ店員は、明らかにその瞳の輝きを増している。

下へと続く。























  上からの続き。その2 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 21:37:02  (修正2回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/09 21:37:02 ** この記事は2回修正されてます
上からの続き。その2


店員>
は、はやか!!どうしたのですか?

葉野香>
ん〜?いやなに、何となく・・・ね。

店員>
何となく・・・ですか?
でも、学校は、どうしたのですか?今日は、平日のはずですよ?

すると葉野香と呼ばれた少女は、少し困ったような表情で苦笑いしなが
ら、何か誤魔化す様に頭をカリコリ掻いた。

葉野香>
いやぁ〜・・・ほら、今日は『バレンタイン』って言う、世にも下らな
いイベントデーだろ?
もう、学校でもこの話題で盛り上がっててさぁ〜・・・
何だか馬鹿臭くなってきちまってね。
だから学校フケてきちゃったよ。あははははは・・・・

確かに葉野香と呼ばれた少女のいでだちは、黒のコートとマフラー
そしてその奥に深みどり色の制服が見え隠れしている。

店員>
なっ・・・!!?だ、駄目ですよ!!はやか!!?
そんな事で学校から抜け出してきたら!!
いらぬ誤解を呼びますよっ!!?

一見、とても大人しく見えるその顔つきとは裏腹に、少し厳しい表情を
見せる店員。
ちょっと怒っているようにも見える。

葉野香>
あははは。まぁ、いらぬ誤解は、今更じゃないしねぇ〜
大丈夫だって。うん。多分ね・・・

店員>
はやかっ!!

葉野香の取った、ちょっとおどけた態度にカチンときたのか、かなり強
い口調で声を上げる店員。
当の葉野香は、苦笑いするばかり。

客 5>
ちょっと!!?何やってんのよっ!!さっさと会計してよっ!!

店員>
す、すみません!!今直ぐに・・・

苛立ったお客に怒鳴られて慌ててレジ打ちを再開しようとする店員。
しかし、その横にスっと葉野香が入り込んできた。
そしてウインクをひとつ。

葉野香>
さっきは、おどけてごめん。ターニャは、いっつもあたしの事で真剣に
考えてくれてるのに。
お詫びにレジ打ち代わりにあたしがするよ。
疲れてんだろ?実はあたし、こう言うの慣れてるからさ。
任せてよ。

ターニャ>
えっ・・・?で、でも、店員以外の人がレジを打つのは・・・

そこまでターニャと呼ばれた少女か言葉を口に出した時。

葉野香>
大丈夫だって!!こんだけ人でごったかえしていたら、誰も気付かない
よ。
だからターニャは、少し休んでいなよ?
仕事終わったら、後で色々話でもしようよ?ねっ?

そう言うと葉野香は、手際良くレジ打ちを始めた。
なるほど、自分で言うだけの事はある。
何処でそれだけの技量を手にいれたのだろう?
どんどん押し寄せてくる客に対して、慌てる事なくどんどんレジを打っ
ていく。

ターニャ>
はやか・・・ありがとう・・・

ターニャのそんな感謝の呟きは、やっぱり険騒の中へと消えていった・
・・

下へ続く。
























  上からの続き。その3 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 22:05:30  (修正3回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/09 22:05:30 ** この記事は3回修正されてます
上からの続き。その3

              『2』

・・・ここは、夕日が良く見えるちょっとした公園。
ちょうど時刻的にも丁度良いタイミング。
もう辺りは、綺麗で切ない赤色に染まっていた。
こんなに綺麗な夕日が見れると言うのに、辺りには、人気がない。
今日は、平日だからか、それともたまたまなのか。
それは、解らない。
ただただ優しい一筋の風がサラサラと流れていく。
そんな、たった今まで静寂の限りをを尽くしていたその空間を何かが壊
した。
それは、どうも人の声のようだ。

葉野香>
はぁはぁ・・・何とか間に合ったな。
お〜い、ターニャ!!早くおいでよ。
夕焼けがとっても綺麗だぞ!!

ターニャ>
はぁはぁ・・・は、はやか・・・あ、あれだけのお客さん相手にしたば
かりだと言うのに・・・げ、元気ですね・・・?
はぁはぁ・・・
それにしてもはやか、どうしてあんなにレジ打ちが上手なのですか?
わたし、驚きました。

葉野香>
あははは・・・だから言ったろ?慣れているって。
それに家も昔忙しい時期があってさ。
家の手伝いでちょっと・・・ね。
それよりも、そこのベンチ空いているから一緒に座って夕焼け見ようよ。

ターニャ>
あっ・・・はい、そうですね。

そう言うとふたりは、この公園の中で一番眺めのよさそうなベンチを見
付け、上に乗っていた雪を手で払い除け仲良く腰掛けた。
パウダースノーな為、簡単に払い除けられる。
そしてそのせつな、夕日の輝きは、クライマックスを迎えた。
ふたりの身体を優しく暖かい穏やかな赤色が満遍なく包み込む。
まるで夕日に溶け込むかのように。

葉野香>
・・・理屈抜きに綺麗だよなぁ〜・・・

ターニャ>
・・・本当そうですよね・・・わたしの目指す色・・・ツヴェトザカー
タ。
あったかい、夕焼けの赤・・・

ターニャは、そう言うと、そっと自分の胸もとにあるペンダントを手に
取り、夕日と重ね合わせるように見詰めた。
夕日の中でキラキラと光る。
見詰めるターニャの瞳も夕焼け色に染まっていく。

葉野香>
そういや、ターニャの夢って、この夕焼けの色を再現する事だよな・・・
どう?順調に事は、進んでいる?

ターニャは、その問にゆっくりと静かに首を横に振った。
そしてペンダントを胸もとに戻すと、葉野香の方へ振り向き、にっこり
と微笑んだ。
その笑みに、悲壮感やそのたぐいの色は、見えない。

下へと続く。























  上からの続き。その4 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/09 22:43:36  (修正2回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/09 22:43:36 ** この記事は2回修正されてます
上からの続き。その4

ターニャ>
いいえ・・・まだ、父がわたしに残してくれたこのペンダントの色・・・
ツヴェト・ザカータは、再現出来てません。
でもわたしは・・・あの時父と一緒に見た・・・真っ赤に染まったスズ
ランのお花畑での約束は・・・必ず叶えてみせます。

葉野香>
そっかぁ〜・・・
ターニャって凄いよな・・・
ロシアから単身ここ日本に渡ってきて、そしてお父さんとの約束を守る
為、そして自分自身の為に頑張っている・・・
本当、強いよ、ターニャは。
あたしには、到底真似出来ないよ・・・
何だかちょっと悔しいかな・・・

そう言うと葉野香は、少し下を向いてうなだれながら憂いを帯びた表情
をとった。
両手は、何となくコートのポケットに突っ込んでいる。
それが今の葉野香の自分への憤りを感じさせる気がしてならない。
ターニャには、今も昔もしっかりとした目的、夢を持って生きている。
でも・・・あたしは?
あたしは、何を思って生きているの?
そう、思っているのかもしれない。

ターニャ>
はやか・・・でも、わたしが頑張れるのは、はやかのお蔭でもあるんで
すよ?

葉野香>
えっ・・・?あたしのお蔭?な、何で?

ターニャのそんな言葉に明らかに驚きの表情をとってしまった葉野香。
しかしターニャは、微笑んだまま言葉を続けた。

ターニャ>
・・・わたし・・・今でもとっても感謝しているんですよ?
あの男の人達3人組に絡まれていた時に助けてくれた事。
そしてその後発作で苦しんでいるわたしを介抱してくれた事。
あの時は、本当に嬉しかったです・・・

葉野香>
よ、よしてくれよ。
あ、あたしは、特別大した事なんてしてないよ・・・

ターニャ>
いいえ・・・はやかは、またこうしてわたしに会いに来てくれているじ
ゃないですか。
時間を見つけては、会いに来てくれているじゃないですか。
それまでは、わたしは、この日本でひとりぼっちのような気がして、と
ても寂しかった。
でもあの日以来、はやかは、わたしのお友達になってくれて・・・
もう、わたしは、ひとりぼっちじゃなくて・・・だから、はやかには、
本当に感謝しているんです。

葉野香>
ターニャ・・・

葉野香がそう一言口にしてから、しばらくの間静寂が訪れた。
そんなふたりを優しく撫でるように吹き抜けていく一筋の風。
そしてお互いの髪が風になびかれ、夕日を受け止めながらキラキラと輝
く。
ターニャの眩しいまでのブロンドの髪は、夕日を含んでより一層深みの
あるブロンドへと。
葉野香の腰まである美しく滑らかな黒髪は、一度受け入れた夕日をまる
でガラスで出来た髪飾りのように光輝かす。 

下へ続く。























  上からの続き。その5 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 00:28:59  (修正3回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 00:28:59 ** この記事は3回修正されてます
上からの続き。その5

葉野香>
・・・あ、あのさ・・・あのさ、ターニャ。

始めに沈黙を破ったのは、葉野香だった。
葉野香は、一度ターニャへと視線を向けてそう一言声を出すと、再び視
線を元に戻して、一言一言、少しずつ少しずつ言葉をつむぎ出し始めた。

葉野香>
・・・あの・・・さ、実はあたしさ・・・お店でターニャに学校フケて
ここに来たって言ったよね?バレンタインがどうのこうのって言う理由
付けてさ。
あれ・・・嘘なんだ・・・
本当の所、別の理由があるんだよ。

ターニャ>
別の・・・理由ですか?

葉野香>
ああ・・・

葉野香は、少し間を・・・正確には、戸惑いを感じさせる時間を間に置
いてから、少し恥ずかしそうにポツリ、ポツリと話し始めた。

葉野香>
あのさ・・・うちのクソ兄貴・・・ついに嫁さんにまで愛想つかされち
まったんだよ・・・

ターニャ>
え・・・愛想・・・ですか?

葉野香>
ああ・・・

葉野香の言葉をうまく把握出来なかったのか、ターニャは、キョトンと
した顔つきになっている。
そんな様を横目でチラリと見た葉野香は『フフフフ・・・』と、含み笑
いをひとつ。
そしてまた、言葉を続ける。

葉野香>
そっ!!愛想つかされたの。まぁ、解りやすく言ったら嫌われて、イヤ
になって逃げられちゃったって訳。
兄貴の嫁さん、家飛び出して、実家のある旭川に帰っちまったのさ。
まぁ、当然といや当然なんだけどね。
だってさ、信じられる!?
清美さん・・・兄貴の嫁さんの名前なんだけどね、今までクソ兄貴の事
仕事からメンタル・・・精神的な事まで本当に色々と助けてきてくれて
いたのに・・・
よりによってあのクソバカ兄貴!!浮気までやらかしやがって!!
流石に清美さんも我慢出来なくなっちゃって『実家に帰ります。さよう
なら』って書き置き残して、出てっちまった。
あたしだってどんなに清美さんに助けられた事か・・・
なのに・・・あんなクソ兄貴、死んじまえばいいんだよっ!!
誰があんな家に帰るかよっ!!
今度の今度こそ本気だよ!!あたし!!

そこまで一気に言葉をまくしたてると『もう、どうにでもなれっ!!』
と言わんばかりに両足をドッカと投げ出し、まるで天を仰ぐように空を
見詰めた。
そして、急に悲しそうな・・・寂しそうな表情へと・・・
まるで急ぎ早に太陽が大地の下へと姿をを隠すかのように顔に陰りが入
っていく。

葉野香>
・・・クソ馬鹿兄貴・・・

そうポツリと一言言うと、それっきり葉野香の口が開かれなくなってし
まった。

下へ続く。























  上からの続き。その6 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 00:47:26  (修正3回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 00:47:26 ** この記事は3回修正されてます
上からの続き。その6

ターニャ>
はやか・・・あの・・・もしかして泣いているのですか?

葉野香>
えっ!!?

ターニャにそう言われて、はっ!!?と驚き右手を自分を頬に当てがう
葉野香。
そのせつな、手のひらへと伝わってくる冷たい感触。

葉野香>
ちちち、違うよっ!!こ、これは、さっき吹け抜けていった風が目に入
って、知らない内に勝手に出てきただけだよっ!!

何とか言いつくろおうと、しどろもどろになりながらそう言う葉野香。
可愛いくらいに必死に。

葉野香>
だだだ、大体、このあたしが泣く訳・・・え?ターニャ・・・?

なおも必死に言葉を続ける葉野香の目の前へと何時の間にか立ってるタ
ーニャ。
そして、静かにしゃがみ込む。

葉野香>
ど、どうしたの?ターニャ?

少し驚いた表情を見せている葉野香。
その表情を優しく微笑みながら見詰めたターニャは、そっと葉野香の・
・・慌てぎみに話していた為にまだ火照っている頬に両手を当てがい・・
そのまま自分の胸へと押し当てていた。

葉野香>
なっ!!?なななっ!!?ちょっとターニャ!!?いいい、何を・・・
!!?

ターニャの取ったこの行動にびっくりした葉野香は、思いっ切り慌てふ
ためき、どもりまくってしまった。
見る見る間に葉野香の顔が真っ赤になっていく。
しかしターニャは、微笑みながら、

ターニャ>
ごめんなさい・・・本当にごめんなさい、はやか・・・

葉野香>
えっ・・・?

言葉の意味が解らず、キョトンとする葉野香。

ターニャ>
わたし・・・はやかの事・・・全然解っていませんでした。
はやかの気持ち、全然解っていませんでした。
なのに・・・お店ではやかに怒鳴ってしまいました。
ごめんなさい・・・
いっつもはやか、わたしの事心配してくれてます。そして助けてくれま
す。
今日もそうでした。
なのに・・・わたし、はやかの事、何も解ってなくて・・・
だから・・・だからせめて・・・今は、こうさせて下さい。
はやかの苦しみや辛さが少しでもわたしに伝わってくるように・・・少
しでもわたしがはやかの苦しみや辛さを受け入れられるように・・・今
は・・・こうさせて下さい。

葉野香>
ターニャ・・・
ターニャの胸って、とってもあったかい・・・
何だかおかあさんに抱かれているみたい・・・とっても落ち着ける・・・

トクン・・・トクン・・・ターニャの鼓動が葉野香へと優しく伝わって
いく。
そして思い出す母親のぬくもり・・・

葉野香>
・・・ねぇ・・・ターニャ。ひとつお願いしてもいいかなぁ?

ターニャ>
はい、何ですか?はやか。

葉野香>
このままあたし・・・ターニャの胸の中で、思いっ切り・・・泣いても
いいかな・・・?

ターニャ>
・・・いいですよ、はやか・・・

葉野香>
・・・う・・・うわあああぁぁぁぁぁ〜〜んん・・・!!!!
うわあああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜んん・・・!!!!!!

葉野香は泣いた。
ターニャの胸の中で今までのしがらみの全てを吐き出すように。
思いの全てを泣き声と変えて、ただひたすら泣いた・・・

下へ続く。























  上からの続き。その7 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 01:10:04  (修正3回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 01:10:04 ** この記事は3回修正されてます
上からの続き。その7

              『3』

葉野香>
なんだか今日は、悪かったね・・・あたしにずっと付き合わせちゃって
さ。
しかも最後は、あんな落ちだしさ。
でもお蔭で随分スッキリしたよ。
本当ありがとな、ターニャ。

ターニャ>
いいえ・・・わたしのほうこそお店手伝ってもらって・・・はやかの心
の内を少しでも知る事が出来て、とっても嬉しいんです・・・

・・・もう日は、とっくに落ちていて辺りは、真っ暗になっていた。
ふたりは、公園から駅・・・小樽駅目指して肩を並べて歩いている。
何気ないお喋りをしながら。
雪を踏み締める度に足元から『キュッキュッ』と言う楽しげなリズムが
ふたりの耳元へと伝わっていく。
時折、車のヘッドライトに照らされながら、目的地へと歩みを進めるふ
たり。
さっきまで晴れていたのだが少しずつ雪達が舞い降り始めているのだろ
うか。
彼女達を照らしていたライトによって、雪達もキラキラと映し出されて
いた。
やがて、町並みの明るいライトショーに照らされた小樽駅へと辿り着く。

葉野香>
ふぅ〜・・・着いちまったな。
喋りながらだと、直ぐ着いちまうな・・・

ターニャ>
本当に・・・そうですね。

なんとなくふたりは、名残惜しそうに言葉を繰り出す。
この後、ターニャは、会社の寮へと。そして葉野香は、札幌の家・・・
兄貴のいる家へと帰らなくてはいけない。
どんなに嫌でも葉野香に取って帰れる場所は、兄貴の待つあの家・・・
北海軒しかないのだ。
その事自身は、葉野香自身、嫌と言う程解っている。

葉野香>
はぁ〜・・・
まぁ、しょうがないよね。いくら喚いた所であたしが帰れる場所は、あ
そこしかないんだしさ。
ターニャのお蔭で気持ちも落ち着いたし・・・帰るとしますか。
我が家へ。
家に着いたら兄貴の顔でも拝んでやるか。さてさて、今日は、どんな顔
してのお出迎えやら・・・フフフ。

そんな事を考えると、ついつい笑いが洩れる。
兄貴の取る行動が、手に取るように解るからだ。

下へ続く。























  上からの続き。その8 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 11:02:33  (修正1回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 11:02:33 ** この記事は1回修正されてます
上からの続き。その8

ターニャ>
???
どうかしたのですか?はやか?

葉野香の顔を不思議そうに覗くターニャ。

葉野香>
ん〜?いや、別になんでもないよ。
それよりも、もうお別れだね・・・あたしはともかく、ターニャは、会
社の寮だから門限もあるし・・・こればっかりは、仕方ないけどね。

ターニャ>
ん〜・・・・・・

葉野香のその台詞を聞いた途端、左手に肘を当てがい、そして右手を自
分の頬に当てて、考え込む表情を取るターニャ。
なんだか、結構真剣な面持ちだ。

葉野香>
あれ?ターニャ?

今度は、葉野香がターニャの顔を見返している。
すると、ターニャは、にっこりとして、

ターニャ>
はやか、日本には『嘘も方便』と言う諺があります。

葉野香>
う、うん、あるね。

突然、ターニャの口からそんな台詞が出て来て少し面食らっている葉野
香。
しかしターニャは、真面目な顔つきで言葉を続ける。

ターニャ>
わたしは、今日程その諺を素晴らしいと思った事は、ありません。
はやかには、今ここで大怪我をしてもらいます。

葉野香>
は、はぁっ!!?

そんなターニャの突拍子のない台詞に呆気に取られている葉野香。
それを見たターニャは、クスクスと笑っている。

ターニャ>
ふふふ・・・別に本当にはやかに怪我をしてもらう訳では、ないですよ?
だからこそ『嘘も方便』なのです。
つまり、今、友達が怪我をしてしまって、一人で家まで帰るのが大変そ
うなので、家まで送って来たいので、どうか門限に遅れる事を許して下
さいませんか?
・・・と、寮に電話を入れてみるんですよ。
それで駄目だと言われれば諦めるしかありませんが、もし許可が降りれ
ば、このままはやかと一緒に札幌まで行けると思いまして。
どうでしょうか?

ターニャは、真面目な顔のまま、さらりとそんな台詞を言ってのけてし
まった。
で、葉野香はと言うと、始め呆気に取られてポォ〜としていたのも束の
間、今度は『プゥ〜ッ!!』と吹きだし、お腹を抱えて大笑いし始めて
いた。

葉野香>
あっはっはっはぁ〜っ!!!!ななな、何それ!!?さささ、最高!!
そそそ、それだったらあたし、いくらだって怪我してあげるよ!!
で、でも、そんな事して本当に大丈夫なの!!?

ターニャ>
はい、嘘も方便ですから。

葉野香>
・・・・・・・・・・・・!!

ターニャ>
・・・・・・・・・・・・!!

そして、小樽駅入り口では、ふたりの笑い声が響き渡ったのであった。
 
下へと続く。























  上からの続き。その9 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 11:07:55  (修正2回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 11:07:55 ** この記事は2回修正されてます
上からの続き。その9

              『4』

葉野香>
しっかし、本当に許可が降りるとはね。

ターニャ>
はい。わたしも驚きです。

葉野香>
あ、あのねぇ〜・・・

ターニャ>
フフフフ・・・

ここは、札幌行きの汽車の中。
結局の所、ターニャの『大嘘』は、ばれなかった。ようは、許可が降り
たのだ。
普段、真面目に仕事に取り込み、門限違反も遅刻も一切無いターニャの
素行の良さが、功を得たのだろう。
何はともあれ、こうしてふたりが一緒にいられる時間が少し延びた訳で。

葉野香>
そうだ!!どうせだったら今日家に来ない?まぁ、なぁ〜んにもない家
だけどさ、出来るだけのおもてなしもするよ?どう?

葉野香のそんな誘いに少し考えるような間を置いてから、にっこりと答
えるターニャ。

ターニャ>
そうですね・・・でもそれは、また今度にします。

葉野香>
えっ?な、なんで?

ちょっとがっかりしたような顔つきになってしまった葉野香を宥めるよ
うにターニャは、話しを続ける。

ターニャ>
たしか、はやかのお家は、ラーメン屋さんでしたよね?
どうですか?おにいさんの腕前は、上がりましたか?

葉野香>
いや、全然・・・相変わらずのままだよ。

ふぅ〜やれやれ・・・と、溜息を漏らす葉野香。

ターニャ>
そうですか・・・それでしたら、おにいさんのラーメンの腕前が上がっ
てから、はやかの家へ食べに行きます。
そのほうが、はやかとしても気分的にいいのでは、ないですか?
わたしもツヴェト・ザカータの完成目指して頑張ります。
どちらが早いか、競争です。

その台詞を聞いた途端、葉野香は、にやりとして言葉を返した。

葉野香>
へぇ〜・・・そいつは、面白いや。
こうなったら、うちのクソ兄貴に発破掛けて、何がなんでもラーメンの
腕、上げさせないとな。
でないと、何時までもターニャ、家に来てくれないし。
よ〜し、ターニャ!!その勝負、受けて立つよ!!

ターニャ>
はい!!存分に受けて立って下さい!!
わたし、負けませんよ?

そう、ふたりが言葉を交わすと、ターニャから手を差し出す。
まるで始めてふたりが出会い、握手をしたあの時のように。
葉野香もそれに応えるように手を差し出す。
そしてお互いに強くしっかりと握手をした。
相手の気持ちと温もりをしっかりと感じる瞬間。

葉野香>
あっ、そうだ。まわりに釣られたって訳じゃないんだけでどさ、こんな
の買ってたんだ。
ターニャ、一緒に食べない?

ターニャ>
何ですか?

葉野香>
これこれ!!

そう言って学生鞄から取り出したのは『ロイズの生チョコ』だった。

下へと続く。

             























  上からの続き。その10 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 11:28:14  (修正2回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 11:28:14 ** この記事は2回修正されてます
上からの続き。その10

葉野香>
これって、余計な添加物を一切使っていない美味しくて体に良いチョコ
なんだってさ。
あたしひとりで食べるのもなんだし。

ターニャ>
うわぁ〜・・・本当に美味しそうですね。でも・・・

葉野香>
でも?

ターニャ>
たしか今日は、バレンタインと言う、好きな人や大切な人にチョコレー
トを送る日なのですよね?
でしたら、おにいさんに上げては、如何ですか?きっと喜びますよ?

葉野香>
あ、兄貴に?

ターニャ>
はい。

すると葉野香は、ターニャの提案にしばらくの間『ウ〜ン・・・』と悩
むように唸り声を上げて考え込んでいる。
そして・・・
『よしっ!!』と一声上げると、考えの結論を発表した。

葉野香>
よしっ!!やっぱり食べよう!!

ターニャ>
え・・・?で、でも・・・

葉野香>
心配しなくてもいいよ。ターニャ。
兄貴には、また別のチョコを買っていくよ。
それに・・・ターニャは、あたしにとって大切な友達だからね。
大切に男も女もないだろ?
だから今は、大切な友達のターニャと一緒にこのチョコを食べたいんだ
よ。

そう言って葉野香は、にっこり微笑んでターニャの前にチョコを差し出
した。
飾りっ気のない、だからこそ見ただけで美味しさが伝わって来るチョコ
レート。

ターニャ>
・・・解りました。それじゃあ遠慮なく頂きますね?

葉野香>
うんっ!!食べて食べて!!

そしてふたりは、仲良く美味しくチョコを食べあった。
ほんのり口の中に広がる甘さは、とっても上品なものだった・・・
そんな中、汽車は、滞りなく目的地へと進んでいく。
葉野香とターニャ、ふたりの楽しい一時も一緒に運びながら。

下へ続く。























  エピローグ。その1 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 16:25:08  (修正3回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 16:25:08 ** この記事は3回修正されてます
エピローグ。その1

・・・葉野香とターニャ、二人を乗せた汽車は、その後程なくして札幌
駅へと。
そして二人は、ターニャが乗るべき汽車の発車時刻ギリギリまで構内で
おしゃべりを楽しんだ。
少しして小樽行きの汽車がホームに入り、ターニャと彼女を乗せた汽車
が去って行く姿を見えなくなるまで見送った葉野香。
そして・・・

葉野香>
ふぅ・・・家に着いちまったな・・・
なんだかんだ言ったって、今あたしがいれる場所は、ここしかないしな。
やれやれ。まぁしかたがないか。
店の電気がついているって事は、一応兄貴のヤツ仕事してたのかな?
まぁいいや。
さて・・・と。
クソ兄貴の馬鹿面でも拝んでやるかな。

『ガラガラ!!』(勢い良く戸を開ける)

葉野香>
おら!!クソ兄貴!!今帰ったぞ!!いるんだろ!!?

達也>
は・・・は・・・は・・・葉野香ぁ〜!!!!

『がばぁ〜っ!!』(抱きつき!!)

葉野香>
うわっ!!?テメェッ兄貴!!いきなり何しやがるんだよ!!?

達也>
葉野香ぁ〜・・・かかか、帰って来てくれたんだな〜・・・
おおお、おれぁ〜・・・清美に逃げられて、挙げ句の果てまでお前にま
で家出てかれたらこのさきどうしていいか解らねぇ〜よぉ〜(半べそ)
だだだ、だから帰ってきてくれて本当嬉しくってよぉ〜(本泣き)

葉野香>
あ〜!!解った!!解ったからいっぺん離れろ!!このクソ兄貴!!

達也>
葉野香ぁ〜本当すまなかったよ〜・・・

『べちょ・・・』(鼻水接触)

葉野香>
うわああぁぁぁ〜!!!??こここ、このク・ソ・ア・ニ・キィ〜!!
!!!!!!!(激怒)

『ばこおおおぉぉぉぉぉ〜〜っ!!!!』(ショートフック炸裂)

達也>
うぎゃあああぁぁぁぁぁ〜!!!!(ぶっとばされる)

葉野香>
汚ねぇ〜じゃないかよ!!このクソ兄貴!!

達也>
だってよぉ〜・・・(泣)

葉野香>
だってもクソもねぇ!!
はぁ〜・・・ところで清美さんの方は、どうなってんだよ!!?

達也>
じっ、実家に電話してみたんだけどよぉ〜・・・清美ちゃん、俺だって
言ったら電話切りやがってよぉ〜・・・(えぐえぐ)

葉野香>
電話ぁ〜?ばっかじゃねぇ〜の?
あんだけの事やったら切られて当然だろぅ?
とにかく実家まで行って土下座でもして誠意の一つでも見せて来いよ。
それぐらいやらないでどうすんだよ!!・・・ったくよぅ〜
そしてその後は、心を入れ換えてラーメン作りに励めよ!!?
でないとあたし、ほんっとぅ〜・・・に出てくからな!!?
解ったか!!?クソ兄貴!!

達也>
あ、ああ・・・解ったから出てくなんて言うなよ〜・・・(めそめそ)

葉野香>
ったくよ〜・・・それとこれ!!兄貴にやるよ!!

達也>
な、なんだコレ?

葉野香>
ちっ・・・今日は、バレンタインだろ?今日だけ特別だ。
くれてやるよ。

達也>
は、葉野香ぁ〜!!!!(飛び付き)

葉野香>
だ、だから抱きつくなってんだろおおぉぉぉ〜!!!!

『ばきゃあああぁぁぁぁぁ〜〜っ!!!!・・・』























  エピローグ。その2 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/10 22:53:46  (修正4回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/10 22:53:46 ** この記事は4回修正されてます
エピローグ。その2

ターニャ>
今日は、とても楽しい一日でした。
はやか・・・今度は、わたしからはやかに会いに行きましょうか・・・
はやか、きっと驚くでしょうね。(笑)
何だか今日の事誰かに話したい気分です。(そう言って腕時計を見る)
少しくらい遅くなっても大丈夫ですよね。
嘘も方便ですから。(くすくす)

『カランカラン』(呼び鈴)

ターニャ>
マスター今晩は。(にっこり)

マスター>
おや、ターニャ。おかえり。
今日は、何時もと比べて随分遅いじゃないか。
何か良い事でもあったのかい?(にっこり)

ターニャ>
はい、ありました。とっても良い事でした。
でも何故解ったのですか?

マスター>
はっはっはっ・・・そりゃあ〜解るさ。
今日のターニャは、とっても良い表情をしているよ。
誰が見たって解る。一目瞭然さ。
少なくてもわたしが見た中では、3度目かな?それだけの良い表情は。

ターニャ>
ふふふ・・・わたし、はやかに会ったんです。

マスター>
はやか・・・ああ〜前にターニャが言ってたお友達の事かい?

ターニャ>
はいっ!!そうです。わたしにとって、大切な大切なお友達です。
今日は、はやかと沢山お話しをしました。
そしていろんな事を知りました。
わたし、今とっても嬉しいんです。(笑顔)

マスター>
そうか・・・どうやらターニャは、この日本に来て最高の友達と巡り会
えたようだね。
大切にするんだよ。ターニャ。(笑顔)

ターニャ>
はいっ!!勿論です。
今度マスターにも会わせてあげますね。
はやかもここのロシアンティーの味、きっと気に入ってくれるはずです。

マスター>
ははは・・・そうかね。それじゃあ楽しみに待ってるよ。

ターニャ>
はいっ!!
・・・あ、もうこんな時間。
流石にもう嘘も方便も無理ですね。(笑)

マスター>
ん?何の事だい?

ターニャ>
ふふふ、何でもありません。(笑)
それじゃあわたし、今日は、これで帰りますね。
わたし、これからも頑張ります!!

マスター>
そうかそうか・・・頑張りなさい、ターニャ。
わたしも、そして葉野香ちゃんも応援してるよ。(にっこり)

ターニャ>
はいっ!!

『カランカラン・・・』

               おわり

























  あとがき。 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/11 00:00:45  (修正1回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/11 00:00:45 ** この記事は1回修正されてます
あとがき。

本作品を読んで下さった方、おつかれ様でした。
今日は、久保 真です。(^-^)m(_ _)m
このたび、北へ。サイドストーリーを書いてみたのですが如何でしたで
しょうか?
わたしとしては、連載ものを除けばネット上でこれだけの規模の作品を
公開したのは、始めての事です。
葉野香とターニャの友達としての話しは、前から書いてみたかったんで
すよ。
出来栄えは、如何なものでしょうか?
出来ますれば、皆様の感想を聞かせて頂ければ幸いです。(^-^)

それでは、失礼します。
久保 真でした。(^-^)























  おもしろかったです〜 ろっきゃん@基地祭確率50% 2002/07/12 01:32:52  ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
ろっきゃん@基地祭確率50% <zikpgxtdsd> 2002/07/12 01:32:52
おもしろかったです〜

久保さんらしい文学的な描写も好きですが、
どうしたらアイディアが浮かぶのか、
真似できないので不思議です。

夕陽の見える公園+ターニャだけでも美しすぎる
組み合わせなのに、さらになんて贅沢なシチュエーション

その場にいけるなら百万円払っても良いです
(持ってないけど)

最初の涙は悔し涙、次の涙には暖かい胸で、母親を思い出
してしまった分もあるのではと思ったのですが
そうなのでしょうか?

なんか達也さんの感情表現で、久保さんの気が入りすぎて
少し乗り移ってるように思えました。(^^)
兄貴としてでいいから、はーやんに抱きつきたいものです。

ではではとても良質の小説、ありがとうございました。
次を楽しみにしています〜
(って自分もそろそろ何かできる範囲で創作せねば(^^;))























  │└100万円ですか?(笑) 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/13 02:20:11  ツリーに戻る

Re: おもしろかったです〜 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/13 02:20:11
100万円ですか?(笑)

今日は、久保 真です。(^-^)
ろっきゃんさん、わたしの拙い小説を読んで頂きまして、まことにあり
がとうございました。本当、嬉しいですよ。

久保さんらしい文学描写が好き・・・
ありがとうございます!!そのお言葉、文字書きと致しましては、最高
の誉め言葉ですよ。
アイデアですが、う〜ん・・・小説ってぶっちゃけた話『巨大な妄想』
だと思うんですよね。
いろんな事を想像して、そしてそれを元としてさらに想像する。
ただ、本当に妄想のみで終わらせてしまうとただの『独り善がり』にな
りかねないので、如何に妄想をひとつの作品として成り足すかが重要で
はないかな?と思います。

あははは。贅沢なスチュエーションですか?そうですね・・・
実際このふたりが肩を並べている姿は、北キャラ屈指の取り合わせかも
しれませんね。
美しすぎます。(笑)

葉野香の涙ですが、そうですね。
始めの涙は、もうどうしようもない悔しさと腹立たしさからくるもので
したが、2度目の涙は、ターニャの優しさとそれにシンクロするように
思い出した母親のぬくもり。そして・・・
今まで抑え込んでいた『心の膿』をいっぺんに吐き出した結果だと思い
ます。

ああ〜達也にぃですか?まぁあれは、そんなとこです。(笑)
でも本家小説北へ。での達也にぃも、あんな感じだったでしょ?(笑)

それでは、次回作も頑張ります!!
それでは!!
久保 真でした!!(^o^)/























  読みましたよ! ひで 2002/07/12 02:33:54  ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
ひで <ynrwpudpbu> 2002/07/12 02:33:54
読みましたよ!
親分、いや、師匠、ご無沙汰しております。
歴史的(記録的)長編、お疲れさまでした。
では、さっそく感想を‥

北海道の自然、特に冬の美しさ、
「北へ。」の世界の温かさ、優しさ、
久保さんがいつも大切にされているものが
よく伝わってくる作品と思いました。

ふたりの表情・しぐさが的確に表現されて、
言葉にも増してふたりの心の中、心の動きが
伝わってくるような気がしました。
また、自然描写、特に夕日がすばらしく、
夕日に映し出されたふたりの姿には
『絵画的な美しさ』すら感じました。

エピローグの葉野香さんと達也の場面は
最初はちょっと違和感を覚えましたが、
それぞれがそれぞれの『生活』の中で、“現実”と
一生懸命闘いながら“希望”を持って生きている、
「北へ。」の世界では自然なことなのでしょう。

でも、冬季は公園にはアクセスが‥
そんなに長くいると冷え切ってしまうよ‥
最後にちょっと‘野暮’を言いたくなりました。 (笑)


ド素人のくせに、生意気でしたね。
それでは!























  │└公園へのアクセスは・・・(汗) 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/13 02:52:20  ツリーに戻る

Re: 読みましたよ! 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/13 02:52:20
公園へのアクセスは・・・(汗)

今日は、久保 真です。(^-^)
ひでさん、わたしの拙い作品を読んで下さいまして、まことにありがと
うございます。本当、嬉しいでよ。

そうですね・・・
北へ。独特の繊細さと美しさ、そしてあたたかさ。
わたしは、北へ。のそんなところに惚れ込んだ訳であって、尚かつ実際
の北海道においでの美しさと厳しさと優しさ・・・
それらを如何に大切にし、そして物語に少しでも反映させたい・・・
そう思い、この作品を書き上げました。
それを少しでも感じて頂けたなら、こんな文字書き冥利につきる事は、
ありません。

ふたりの仕草や表現に関しては、やはり『北へ。』と言う、素晴らしい
舞台とそれに釣り合うだけのキャラ達として彼女達が存在していた事が
大きいと思います。
わたしの文書における実力と言うよりも『彼女達によりわたしの能力』
を実力以上に釣り上げてくれたのでしょうね。
彼女達に感謝します。

因みに自然描写についてですが、北へ。の世界と、そして素晴らしい彼女
達に釣り合うよう、必死に表現してみました。
お誉め頂き、光栄です。m(_ _)m

エピローグ1に関しては、まぁ・・・あんな感じです。(笑)
本家小説北へ。でも見え隠れしていたと思うのですが、なんだかんだ言
ってもあのふたりは、仲が良いという事を表現したかったんですよ。
で、結果ああなりました。(笑)

では、次回作も頑張ります!!
それでは!!
久保 真でした!!(^o^)/

PS
え〜と『その突っ込み』は、ある程度覚悟していました。(^^;























  こころ和やかになりますね! 長良川の鮎@いくぜ北海道2002 2002/07/12 18:47:09  ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
長良川の鮎@いくぜ北海道2002 <bqdzoieusq> 2002/07/12 18:47:09
こころ和やかになりますね!

ご苦労様でした。
小説、ゆっくりと読ませて頂きました。
『北へ。』の小説版の続きを読んだようでこころ和む感じが
非常に素敵ですね。
自分はターニャと葉野香の初めての出会いの物語が好きだった
だけによりいっそう夢中になれました。

小説『友達』の注目すべきところは

「生活感」と『陰の暮らし』

があるところです。
簡単に言えば、

「登場人物の物語に描かれない設定である」

ということです。
たとえゲームのキャラクターといっても架空の人物といっても
それぞれ生まれてからのいろんな経験があるはずです。
ゲームの中だけの細切れの人生だけでないはずです。
逆にこれがなかったら人物たちがとても軽く、わざとらしく
なってしまいます。
だから私は『陰の暮らし』であるこの話がとても
気に入っています。

さり気なくそれでいて心暖かい『物語』を私達に
お贈りいただきありがとうございました。























  │└優しさ、あっかさ。そして切なさ・・・ 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/13 03:33:52  ツリーに戻る

Re: こころ和やかになりますね! 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/13 03:33:52
優しさ、あっかさ。そして切なさ・・・

今日は、久保 真です。(^-^)
長良川の鮎さん、わたしの拙い小説を読んで頂き、まことにありがとう
ございました。本当に嬉しいしです。

そうですね・・・わたしと致しましても、本家小説北へ。の『あの』あ
たたかくあり、切ない雰囲気を保ったまま作品を書きたいと思っていま
した。
結果、まるで続編を読んでいるように仕上げる事が出来たんだと思いま
す。
わたしは、本家小説北へ。ですが、全ての話が好きで(勿論鮎さんもそ
うである事は、理解してますよ)すが、特に葉野香とターニャの出会い
の話が好きでした。

そうですね・・・
生活感と陰の暮らし・・・これってとても重要なんですよね。
鮎さんの仰る通り、キャラ達には必ず『ゲームには語られていない人生
・生き様・経験』というものがあって、だからこそキャラ達がより鮮明
に、そして生き生きと躍動するのだと思います。
そしてそれがあるからこそ彼女達は、わたし達の心を魅了するのだと思
います。
わたしと致しましては、良く他のゲームにありがちな『表面だけのきら
びやかさや、変に過剰演出になる』事を避けて書き上げたつもりです。
何も余計な演出はいりません。
彼女達は、しっかりとした人生をもっているのですから。
そしてわたしは、そんな彼女達に惚れ込みました。
鮎さんがわたしの作品から彼女達の『人間臭さ』を感じて頂けたなら、
これ幸いです。m(_ _)m

では、次回作も頑張ります!!
それでは!!
久保 真でした!!(^o^)/























  感想です。 Y.M 2002/07/14 23:25:30  (修正1回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
Y.M <tfsfgtdlep> 2002/07/14 23:25:30 ** この記事は1回修正されてます
感想です。
描写が自然で、何か既視感すら覚えてしまいました。言動がそれらしく、読んでいて特に説明の無い表情や立ち姿まではっきりと目に浮かんできます。初めてにもかかわらず、読後は懐かしさすら感じるほどでした。
特に冒頭、互いの台詞で名前を呼びあうまでは「少女」「店員」としか書いていないのに、ちゃんと誰なのか伝わるあたりは流石としか云えません。それぞれのキャラクターを把握しているからできる芸当だと感心させられました。
これまでの、キャラクター描写を故意に「尖らせた」SSも良いですが、今作のような等身大の女の子達を書いた別の作品も読んでみたいものです。御一考頂ければ幸いです。

ところで、

ターニャ>
(前略)
はやかには、今ここで大怪我をしてもらいます。

葉野香>
は、はあっ!!?

ターニャ>
えい。

バキッ!

・・・といった展開を一瞬でも想像したのは私だけでしょうか。いや、何となくターニャは事実しか口にしないような気がしたもので。























  │└等身大の彼女達。 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/16 01:51:50  ツリーに戻る

Re: 感想です。 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/16 01:51:50
等身大の彼女達。

今日は、久保 真です。(^-^)
Y.Mさん、わたしの拙い小説を読んで頂きまして、まことにありがと
うごさいます。本当に嬉しいですよ。

そうですね・・・
描写の自然さ・・・これについては、とにかく苦労しました。
純文学風に制作していけばよりリアリティーおける作風になりますが、
事『北へ。』に関しては、余り純文すぎても重くなりくどくなる・・・
かと言って最近良くあるゲームノベルのように薄口にしすぎても話しの
盛り上がりがなくなってしまう・・・
本当にそのあたりの折り合いに悩みました。

台詞に関してですが、わたしとしては、如何に自然で『実際に人が話し
ているようなリアルティー』を目指しています。
良く小説にある『説明口調・映画の字幕のような台詞まわし』に対して
前々から違和感を覚えていたんです。
台詞にもしっかりとした『キャラクター・個性』求めているのです。
『FS』などは、その実験的な作品です。
今のわたしの実力などたかがしれてますが、それでも少しでも『台詞へ
のこだわり』を感じて頂ければ、これ幸いです。

他のキャラクターによる話しですが、一応考えています。
今ネタ帳に治められているキャラは『琴梨、葉野香、ターニャ、梢、め
ぐみ、由子』といった具合です。
何れは、北キャラ全てのエピソードを考えてみたいです。

最後に、わたしなら・・・(にやり)
効果音なら『どっごおおぉぉぉ〜んん!!』『ぐちゃり!!』『ぐわし
ゃん!!』などを採用したいですね。(笑)
それにわたしも・・・良くターニャ使って『遊び』ましたから・・・
ターニャの『壊れ』は、一行に構いません!!(大笑)

それでは、次回作も頑張ります!!
久保 真でした!!(^o^)/























  あわわわ(−−;2002/07/15 09:32:11  (修正1回) ツリーに戻る

Re: 北へ。サイドストーリ小説『友達』 返事を書く ノートメニュー
<uijuclylze> 2002/07/15 09:32:11 ** この記事は1回修正されてます
あわわわ(−−;

ども秀です〜♪すいません感想遅くなりました(^^;
そーですか、コミケ用の作品だったのですね。今年は自分も行く予定
なので、会場でお会いできるといいですね〜♪

さて、読ませていただきましたが素晴らしいですね。
もう皆さんが仰ってるのでいまさらですが、二人の少女とその周りの
景色が浮かんでくるような気がします。
雪を踏みしめる音、夕焼けの移り変わり、周りの雑踏そんな音まで聞こえてくるような素晴らしい小説だと思いますよ。

ただ一つだけ野暮を言わせていただいていいですか?
夕焼けのシーンで、家を飛び出した葉野香ちゃんにたいして、本当に家を飛び出したターニャが、その寂しさを真剣に語るっていうのも手かなと思います。
家族を捨てて、一人で異国に暮らす寂しさを、真剣に語るターニャに「安易」に家出を選択しようとした自分を反省し、ターニャに対する申し訳なさから涙するというのはどうでしょう?
あ、あくまで私の個人的な意見ですから(^^;・・あまり気になさらないで下さいね。

葉野香ちゃんの涙のシーンも「本当の友達」の前だと素直な女の子になれる、ちょっと不器用な葉野香ちゃんを表現していて素晴らしいと思いますよ♪
ぜひ、他のヒロインのも読んでみたいですね〜♪

コミケまで日がないですが、頑張ってくださいね!
秀でした〜♪























   └素直な涙。 久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 2002/07/16 02:10:53  (修正1回) ツリーに戻る

Re: あわわわ(−−; 返事を書く ノートメニュー
久保 真@ターニャ王朝後方支援部隊長 <hfejhxlrim> 2002/07/16 02:10:53 ** この記事は1回修正されてます
素直な涙。

今日は!!久保 真です。(^-^)
なんだか急かせてしまいまして、すみませんでした。
でも、わたしの拙い小説を読んで下さいまして、まことにありがとうご
ざいます。
嬉しいですよ。(^-^)

なるほど・・・
ターニャが葉野香に色々と諭している・・・なかなか面白いネタですね。
小説北へ。でもターニャは、葉野香に対して家族の大切さを訴えていま
したが、あの時は、あくまでポツリと言っただけですしね。
わたしの作品では、ふたりは、より親密な関係になっていますし、葉野
香もターニャへ心を開いて思いの程を話してますし、ターニャもしかり。
まぁあとは、わたしがどれだけ彼女達の事を理解してあげて作品を作り
上げれるかが問題ですが。
わたしの腕前なんてたかがしれてますからね。
彼女達に迷惑掛けないようにしなくては。(笑)

そうなんですよ!!
実は、この作品コミケの為に作成したものなんですよ。
正確には、自分のHPように作ろうとしていたのですが、それがどうや
ら難しいと判断したので、一度こちらに掲載してから製本化に事を進め
た訳でしてね。(^-^)

それでは、秀さん、コミケ会場で会いましょう!!(^o^)/
久保 真でした!!


「北へ。」 EXIT
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