出会い。

・・・・・・
・・・ここは・・・何処・・・?
・・・暗い・・・とっても暗い・・・
そして・・・
・・・とっても嫌な匂いがする・・・
・・・何か・・・嫌だ・・・恐い・・・恐いよぅ・・・
・・・誰か・・・いないの・・・?
誰か・・・お願い・・・とっても恐くて・・・嫌なの・・・誰か・・・

『ことり・・・』

誰!!?

『ことり・・・』

お父さん!!?

『・・・・・・』

あっ!!やっぱりお父さんだ!!お父さぁ〜ん!!

『・・・・・・』

お父さん、良かったぁ〜・・・ねぇお父さん、何だかここ、とっても暗
くて嫌な匂いして・・・恐いよ・・・
早く一緒に家へ帰ろうよ。

『・・・・・・』

早く行こう!!・・・お父・・・さん?どうしたの?行こうよ?

『・・・・・・』

えっ!!?そっちは、お家じゃないよ?ど、何処行くの?お父さん?

『・・・・・・』

ま、待ってよ、そっちじゃないよ、お、お父さん?

『・・・・・・』

お父さんってば!!?待ってよ!!わたしを・・・琴梨を一人にしない
でよ〜!!

『・・・・・・』

お父さん!!お父さん!!行かないで!!琴梨を一人にしないで!!
いっちゃ駄目ぇっ!!

『・・・・・・・・・・・・』

嫌あああぁぁぁぁぁ〜〜っ!!!!

『ガバァッ!!』

お父さん!!?・・・あ・・・
・・・ハァハァ・・・またあの夢・・・見ちゃったよ・・・
お父さん・・・


琴梨>
あっ、お母さんおはよぅ〜

陽子>
おはよう、琴梨。
ほほぅ〜?朝からなかなか可愛い笑顔だねぇ?流石わたしの血を引いて
いるだけの事は、あるねぇ。(笑)

琴梨>
もぅ、何言ってんだか。
それよりお母さん、早く朝ごはんすませちょおよ?わたし今日部活の朝
練なんだよ。

陽子>
はいはい。
琴梨のお蔭であたしも美味しいごはんに何時も在り付けているんだし、
言う通りにしようかねぇ?

琴梨>
あははは・・・はいはい。


琴梨>
じゃあお母さん、いってきまぁ〜す。

陽子>
あ、そうそう、琴梨、明日親戚の男の子がここに来る事は、覚えている
よねぇ?

琴梨>
勿論だよ!!
小さい時によく遊んだあのおにいちゃんだよね?大丈夫。覚えてるよ。

陽子>
それならいいんだよ。
それじゃあ、いってらっしゃい。琴梨。

琴梨>
うん、いってきまぁ〜す。

そう、明日やって来るんだ。小さい頃よく遊んでくれたおにいちゃん。
そして・・・
お父さんの血を引いた男の人が・・・

・・・北へ。

 


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