お久しぶりで懐かし。(^-^)

今日は、久保 真です。お久しぶりですね。
チャットでは、何かとお世話になりました。m(_ _)m
これはまた・・・懐かしい企画ですね。
早速参加してみましょうか。(^-^)
わたしは、1・2・3とミックスで行きます。では!!(^o^)/



葉野香>
うわ・・・降ってきたよ・・・参ったね、さきっきまであんなに晴れて
たのにさ・・・予報でも晴れって言ってたのに。
しっかりしてくれよなぁ〜気象庁!!

OOO>
ははは、まぁ仕方ないよ。
急いで何処かに雨宿り・・・あの木陰のベンチに行こうか。

・・・突然の天気の気まぐれに急いで逃げる二人のいる場所。
ここは、札幌大通り公園。
元々火災等の災害抑制の為に設けられたこの場所は、今では、すっかり
市民の憩いの場所となっている。
何気に芝生に寝ころぶ人、ベンチに座って読書に勤しむ人、ただなんと
なく、散歩する人、友達と楽しげにお喋りする人。
そんな色々な人達がいて、それを受け入れてくれる場所。
でも今は、突然の雨で、皆一斉にその場所から離れて行こうとしている
真っ最中。
少なくとも、この雨から逃れられる場所へと。
・・・彼と彼女も例外ではなかった。

葉野香>
あ〜あ〜・・・濡れちゃったよ。
この服、買ったばかりのおろしたてだったんだぜ?本当参るよ。
しっかも今日変にあったかいもんだから薄着で来ちゃったしさ。

OOO>
あ、やっぱり買いたてだったんだ・・・

葉野香>
あれ、やっぱり解る?(*^^*)

OOO>
そりゃ解るよ。シワも全然ないしね。(^-^)

葉野香>
・・・まぁ、折角久々に会うんだし、どうせならオシャレしてたほうが
いいだろ?(*^^*)

・・・お互い木陰下のベンチで雨からの難を逃れた二人は、仲良く肩を
並べて座っている。
そんな中、自分の服装に気づいてもらえた彼女は、ちょっと照れくさそ
うに彼を見上げた。
彼女の服装・・・全体的に黒を基調とした、シックな出で立ち。
頭には、厚手のフェルトで出来た大き目で可愛らしいリボンの付いた帽
子。
そして白のブラウスに黒のワンピースを重ね着して纏め上げている。
彼女のとても黒い瞳と長い黒髪に良くあっていた。

OOO>
へぇ〜・・・(にやり)

葉野香>
な、なんだよ!!?その笑いは!!?
あ〜あ〜!!どうせ普段は、オシャレなんてしてませんよ!!
言葉使いも悪いガサツな女ですよ!!まったく・・・
少しでも照れちゃったアタシが馬鹿だったよ、もう・・・

OOO>
だ、誰もそんな事言ってもなきゃ思ってもいないって!!(^^;
それよか・・・良く似合ってるよ。

葉野香>
ふ、ふんっ!!・・・

・・・二人がじゃれあいを見せる中、天気はと言うと一向に止みそうに
なかった。
それどころか降りは、強くなって行くばかり。
公園の舗装されている場所には、次々と水溜まりが出来始めていた。
木々も草達も、もう随分と濡れている。
木陰での雨宿りには、もう少々無理があるかもしれない・・・
それに雨のせいか、気温もどんどんと下がり始めていた。

葉野香>
・・・だいたいねぇ、マフラーの時だって・・・冷たっ!!?

OOO>
どうしたの?

葉野香>
い、いや、大した事ないよ。
首筋に滴が落ちただけ。

そう言葉を聞いた彼は、自分達へ降り注ぐはずの雨を遮っている木の枝
へと見上げてみた。
すると、枝や葉の隙間から、滴が落ち始めている事に気づいた。

OOO>
これじゃあ〜もうここじゃ持たないな。
何処か建物の下にでも行かないと・・・

葉野香>
・・・それになんか・・・寒いよな。
雨で濡れたせいかな?

OOO>
うん・・・それと実際気温も下がってるみたいだし・・・

そう言いながら辺りを彼は、見渡してみた。
すると目線の先・・・比較的近くに丁度雨宿りにお誂え向きな建物があ
る事に気づく。

OOO>
ねぇ、あそこの建物で雨宿りしようよ?
少し濡れるけど走ればなんとかなるし。
どっちみちここはもう持たないよ。

葉野香>
そうだな・・・ここにいても濡れるだけだしな。行こうか。
ただし!!水溜まりは、踏まないようにしないとな。
泥で汚したらつまらないし。

OOO>
はは、そうだね。じゃあ行こうか。(^-^)

葉野香>
ああ!!(^-^)

・・・そう言いながら目的の建物へと走って行く二人。
二人とも、急いで走りながらも上手に水溜まりを避けつつステップを踏
んでいく。
なんだかその姿は、楽しそうに走っているようにも見えた。

葉野香>
ハァハァ・・・よしっ!!あたしのほうが先についたね。
ジュースのおごり決定!!(^o^)/

OOO>
・・・ハァハァ・・・えっ!!?聞いてないよ、そんな事!!?(^^;

葉野香>
だから、今決定したんだよ。
それにあたしとOOOさんが何か競う時は、ジュースおごるのがお約束
だろ?(にやり)

OOO>
そ、そうなの!!?参ったなぁ〜・・・
だいたい今のは別に、競うつもりなかったんだけど・・・

葉野香>
なんだよ?男ならジュースの一つや二つケチケチすんなよなぁ。

OOO>
はいはい。解りましたよ、葉野香お嬢様。m(_ _)m

葉野香>
ふふふ・・・

『ザァ〜〜!!』

・・・二人が建物の軒下へと移って幾らもせずに、雨は、益々勢いを増
して降り付けて来た。
暫しの間、その様を呆気に見とれている二人。
さっきまで二人がいたベンチの辺りは、余りに強い雨足にもう霞んでし
まい、満足に見る事も出来ない。
雲の中で、大粒の滴となった雨達は、地上に達するまで存分に勢いを付
けて降り注ぎ、そしてアスファルトで舗装された道路と出会い、砕けて
舞った。
まるで路面中に小さな噴水が無数にあるかのように、滴達は至る所で舞
い上がった。

葉野香>
な、なんか凄いよね・・・
あたし達あそこにまだいたら・・・

OOO>
確実にベチャベチャだったろうね・・・(^^;
・・・あれ?どうしたの?

葉野香>
い、いや、ほらさっきここまで来る時にまた濡れちゃっただろ?
そのせいかなぁ・・・寒くってさ・・・

・・・走って来た為、二人とも幾らか身体が火照っていた・・・はずな
のだけど、雨に濡れた服と随分と冷えて来た気温のお蔭で、直ぐにそれ
は、おさまっていた。
特に彼に比べ、薄着である彼女にとってこの冷え込みは、震えさせるの
に十分なものだった。
彼女は、自分自身を抱き締める様に縮み込み、震えている。

葉野香>
参っちゃったね・・・まったくさぁ。
早く止んで欲しいよね・・・この雨・・・キャッ!!?

彼女が独り言の様に呟いていると突然横へと引き寄せら、驚いている。
原因など考えるまでもない。彼の仕業だった。
彼は、一度横から抱き寄せたあと、すっと彼女の後ろに回り込み、包み
込むように強く、そして優しく抱き締めていた。

葉野香>
ちょ、ちょっと!!い、いきなり何やってんだよ!!?は、恥ずかしい
だろっ!!?

OOO>
でも・・・こうすれば二人ともあったかいよ。

葉野香>
あああ、あったかいとか、そそそ、そういう問題じゃないだろっ!!?
あああ、あたしは、は、恥ずかしいから止めてって言ってるん・・・

OOO>
・・・嫌なの?嫌なら止めるよ?

葉野香>
だ、だから!!嫌とかそういう問題じゃ・・・

OOO>
・・・・・・

葉野香>
あ〜も〜!!解りました!!解りましたよ!!まったくもう・・・
そのかわり、後でそこの喫茶店で何かおごる事!!いい!!?

OOO>
ジュースとは別に?

葉野香>
そういう事!!

OOO>
はは・・・了解。(^-^)

葉野香>
・・・もぅ。

葉野香>
まったく・・・もうあんな恥ずかしい事止めてくれよなぁ?
誰かに見られでもしたらどうすんだよ!!?

OOO>
ホワイトイルミネーションの時も・・・人目が気になった?

『カァ〜!!』(葉野香の顔が真っ赤に染まる音。色々な意味で)

OOO>
あははは・・・ごめんごめん。(^^;

ここは、雨宿りしていた建物の中にあるとある喫茶店。
彼は、彼女の注文通りこの喫茶店へと立ち寄った。
店の中を見渡してみると、他にも雨宿りを兼ねてなのか、結構な数のお
客が席を埋めている。
店そのものは、さほど大きな作りではないようだが綺麗に纏め上げられ
雰囲気も良く、照明も明るめな為に、誰でも気軽に足を運べそうだ。

店員>
いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?

OOO>
自分は、コーヒーをブラックで。
葉野香ちゃんは何んにする?

葉野香>
う〜ん・・・そうだな・・・あ、ここって紅茶もあるんだね。
じゃああたしは、このダージリンティーを一つ。あとミルクもつけてね。

店員>
かしこまりました。以上でよろしいですね?

葉野香・OOO>
はい。

店員>
追加の注文等ございましたら、気軽にお呼び下さい。それでは・・・

店員は、軽く会釈をすると注文表を持ち、店内の奥へと姿を隠した。

葉野香>
ここのお店、雰囲気も良いけど店員の態度も良いね。
また今度来ようかな?

OOO>
確かに態度良いね。

その返答を聞いた彼女は、さも納得するように腕組みをしコクリと一度
頷いた。

葉野香>
だろ?客商売ってやっぱり態度悪いと話にならないよな・・・
そこんとこ解ってない店、結構多いしさ・・・不景気だから客が来ない
とか嘆くだけじゃなくて、如何に客を引き寄せられるようにするか、そ
の為には、店員の態度をどうするべきか、とか・・・もっとこう・・・

OOO>
クスクス・・・

葉野香>
な、なんだよ!!?何笑ってんだよ!!?

何故か彼女の顔を見て笑っている彼に気づき、再び顔を真っ赤にしてい
る彼女。
その様を見た彼は、そこで笑いを一区切りした。

OOO>
あ〜ごめん。でも葉野香ちゃんらしいなぁ〜と思って。
確か函館でデートした時もこんなことあったよね?

その言葉を聞き、ハッとする彼女。

葉野香>
ごめん・・・そういや函館でもそんな事あったね・・・デートの最中だ
ってのにさ。
今だってデートしてんのにね。
どうもあたしって、こう・・・場の雰囲気に合わない話題良くしちゃう
よね・・・本当にごめん・・

そう言うと彼女は、真っ赤だった顔を違う意味で新たに真っ赤に染め直
し、小さく縮み込んでしまった。
如何にも恥ずかしさとすまなさを表情に表しながら。

OOO>
い、いや、別に謝らなくていいよ。だいたい笑ったこっちのほうが悪い
んだし。(^^;
それにそれだけ葉野香ちゃんは、物事を真剣に考えているって事でしょ?
それってとっても良い事じゃないかなぁ?
少なくとも自分は、葉野香ちゃんのそんなとこも好きなんだよ?

葉野香>
それって・・・本気で言ってるの?

OOO>
当然。嘘なんて言ってないよ?

店員>
・・・お待ちどうさまでした。ご注文のブラックとダージリンティーで
ございます。

彼女が言葉を続けようとした時、二人が注文した品を店員が持ち運んで
きた。
店員が二人の前に品を差し出すと共に、とても奥行きのある豊かな香り
が、二人の鼻先をくすぐる。
決してインスタンドでは再現出来ない、ちゃんとした茶葉と豆から作ら
ねば出る事のない・・・そんな香りだった。

店員>
それでは、ごゆっくりと・・・

そう言い会釈すると、再び店員は、店中奥へと姿を隠した。
会話の腰を折られた二人は、暫しの沈黙。
自分達が頼んだ品を見詰めている。
そして始めに沈黙を破ったのは、彼のほうだった。

OOO>
・・・そういやさ、葉野香ちゃんって確か紅茶が嫌いじゃなかったっけ?
注文してるの聞いた時に、おや?って思ってね。

その言葉を聞いて彼女は、上目使いで一度彼を見詰め、クスッと笑った。
そしてティーカップ中へミルクを注ぎながら喋り始めた。

葉野香>
・・・別にあたしは、紅茶そのものを嫌いって言った覚えはないし、逆
に好きなくらいだよ。
ただ前にも言ったけどさ、友達に馬鹿にされてからなんだか意地になっ
ちゃって飲まなくなっただけだしね。
たださ・・・最近そんな事に・・・特にもう何年か前にもなる事に何時
までも意地張る事が下らなく思えてきてさ。
それにそんな事でわざわざ美味しい物を飲まなくなる事事態、損したみ
たいで馬鹿らしいしね。それに・・・
少なくともアナタは、わたしの事馬鹿にしたりしないよね?

OOO>
・・・当たり前だろ?そんな事聞くまでもないよ。

葉野香>
そっか・・・うん、そうだよね。ありがと。(^-^)

そして二人は、自分達が頼んだ品をカップから口へと運んだ。
それらは香り同様、味も最高だった・・・

・・・二人が品を口に運んでから1時間。何気ないお喋りを続けている
二人。
冬に大通り公園を彩るイリミネーションの中、年越しのキスをした二人
は、その後、彼が北海道にいれる残り僅かな時間の間、お互い出来る限
り一緒に過ごした。そして・・・彼は、また東京へと。
このゴールデンウィークに三度この地へ訪れる事を約束して。

お互いが別れたあと、何をしていたのか、どんな事をしていたのか。
勿論雨の降る前の大通り公園でもその話題をずっとしていた。でも。
二人にとって、まだまだ語り足りないらしい。
と、そんな時、急に外が明るくなってきた事が店の窓越しに良く解った。
どんどん外が明るくなっていき、それから幾らも待つ事なく空は、元通
りの澄み切った青色となっていた。

二人は、その様を確認すると再び大通り公園へと足を運ぶ事にした。
丁度ライラックの咲き乱れ薫り舞う大通り公園へと。

葉野香>
う〜ん・・・!!あ〜気持ち良い!!さっきまでの大雨が嘘みたいだよ
ね。

OOO>
本当そうだね。多分さっきのは、通り雨だったんだろうね。

葉野香>
・・・?あっ。
ねぇねぇ、さっきのジュースおごるって言ってたよね?それをさ・・・
あれに変えられない?

OOO>
え?なになに?

彼女の指さす先にあるもの・・・それは、焼トオモロコシの屋台だった。

OOO>
あははは。別に構わないよ。それじゃあ行こうか。(^-^)

葉野香>
うん!!(^-^)

そして二人は、焼トオモロコシ屋と。
トモロコシを口にほうばりながら、互いにライラックを見詰めている。

葉野香>
ねぇ?あのさ・・・ライラックの花言葉って知ってる?

OOO>
いいや?

葉野香>
そう・・・それじゃあ教えてあげる。ライラックの花言葉は・・・
『初恋の味』・・・だってさ。
あっ!!馬鹿!!何赤くなってんだよ!!?こっちまで照れんだろ!!?
・・・あっ!!?
・・・キスの味は・・・焼トオモロコシの味・・・うふふ。
ねぇ?これでキス2度目だよね?2度ある事は、3度あるって言うけど
・・・3度目って何時になるだろね?

OOO>
・・・今だよ。

葉野香>
・・・あっ・・・まぁいいか・・・(*^^*)

          ・・・二人に幸あれ!!・・・

おわり


あとがき。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。m(_ _)m
さて今回のSS(実質小説規模)は、ぽんずさんの課題にあやかりつつ
は〜やんの春エンドの保完を行ってみようと、即興ながらにチャレンジ
してみたのですが、如何でしたでしょうか?

因みに課題では『自分とヒロイン』と言う形をとるようになっていまし
たが、わたしは、作品を書くにあたって、

『シリアス系の作品を書く場合、如何なる場合においても自分自身を
 絶対に作品内に登場させない事』

と言う決まり事を設けています。
その為に、今作品においても、例外にする事なく、あくまで『ゲームの
中の主人公』が登場するように致しました。
ぽんず様、どうかそれについては、ご理解下さい。m(_ _)m

それでは、ぽんず様、皆様、今後とも宜しくお願い致します。
久保 真でした。(^-^)

 

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