★原田 明理

 大変貧乏な父子家庭に育ち、できの悪く酒癖も悪い父親に振り回される薄幸の美少女という設定。
 思う程不幸に見えないのは、彼女が父親を嫌っていない事、貧しい事を肯定しているからだろう。
 他のヒロインがあまりプライバシーを公開したがらない中で、彼女の家庭のプライバシーを敢え
て公開することで、彼女の貧しさを強調することにも成功している。
 終盤に父親がくも膜下出血による入院、死亡というストーリー展開も、数日前より伏線を上手く
使う事で盛り上げるている。
 彼女自体も、質素な振る舞いが狙っておらずとても可愛らしい。
 大野のキャラクターデザインも、一見やかましいだけにように思えるが、微妙な位置で主人公の
フォローをしているあたり嫌味でなくて良い。
 ただ、勝手に自己完結して明理を諦めてしまうあたり、少し作りが雑に感じた。
 主人公と明理の気持ちを知ってて身を引いたのか、それともさっぱり何も分からない天然だった
のか、しっかりと判断をさせてから諦めさせないと、少し物語りにしこりが残る感じだ。
 また、一つ一つのイベントが連鎖しており、一つ起こし忘れると芋づる式に起きなくなる場合も
あり、イベントをもう少し増やすなどの救済措置があってもよかっただろう。
 明理の家庭に関しては、貧しく家庭菜園で収穫した野菜で食い繋いでいるはずが、鮭一匹使った
ちゃんちゃん焼きを豪快に行ったりする所があり、貧しいイメージが損なわれる部分もあった。
 砂金彫りなどは、是非ミニゲームにして欲しかった所だ。
 製作時間がなかったのだろうが、巨大な金塊が偶然見つかるといった強引な御都合主義な展開は
少々冷めてしまう。しかも、あの大きさはもはや砂金ではなく金塊だ。
 砂金が見つからない場合のフォロー、という物語があってもよかったはずだ。
 喪中にもかかわらず年賀状を送ってくるのはシナリオライターのミスだろうが、生活感に密着し
た物語を描くのであれば、ここは徹底して欲しかった所だ。

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