★茜木 温子

 函館朝市の鮮魚店の看板娘。偶然の出会いから交友を深め、彼女のお見合いの話が来た所から物
語は急展開していく。この導入は、インパクトがあり印象深くてとても良い。
 数日前に出会ったばかりの観光客を足がわりにコキ使いデートになだれ込むなどかなり強引な展
開だが、これも彼女の性格だと割り切れば納得できなくもない。
 これも、彼女が大変台詞が多いからだろう。C.B.Sまでの台詞が異常に多く、彼女の明るさとお
喋りな性格をうまく印象付けており、キャラクターメイキングとしては上手く作用しており成功と
いえる。
 ただ惜しむらくは、男性キャラクターの印象が温子に大負けして薄すぎる。
 友人の佐々木などは他のヒロインでは考えられないくらいに殆ど絡んでこず、いるのかいないの
かさっぱり分からないくらいに存在感がない。筆者など大食漢である事だけでなく名前すらも忘れ
てしまうくらいだ。ストーリーを盛り上げていく上でこれは大いに問題だろう。
 温子との関係をいつごろ感知したのかも謎で、友人として登場しているのなら、他のストーリー
のように、もっと話に絡ませるべきだろう。
 それでなくとも、朝市や函館について詳しいのであれば、そのあたりから観光面でのフォローを
行い、【観光ゲーム】に役立つ形としての面目躍如を狙っても良かった。
 また、見合い相手の新宮司も、NOCCHI氏キャラでないため、重要な位置にいるにも関わらずさっ
ぱりライバルとしての迫力・圧力がない。
 NOCCHIキャラではない=重要ではない必勝のザコ、な印象を必ずプレイヤーに与えるため、先
が見えて物語があまり盛り上がらないのだ。
 少なくとも重要イベントキャラ、友人くらいは、全てNOCCHI氏キャラであってもよかったはず
だが、これも制作費と制作時間の問題なのだろうか。
 温子と新宮司の関係をもっと印象づける工夫もあってよかった。
 そもそも、使い回しのキャラを重要イベントに使っていいのかという問題もあるのだが。

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