■専務車掌さんの旅行日記■

※この日記は、掲示板に掲載されていたものを、管理人の雄(ゆう)が編集したものです(^^)/

 2002年7月6日BBS掲載

7/2 本州を北上。
 今日から道東紀行の始まり!
 一応勤務割で当直明になることを考慮して東京9:56発
「やまびこ・こまち9号」の指定席を取っておいたが、実際は
今日から公休日扱いになったので自宅から出発できる。時間にも
十分な余裕を持って行こう。
 自宅を8時過ぎに出て京成電鉄〜総武線快速(普通車は混んでいる
からグリーン車)で東京駅へ。東京では「やまびこ・こまち9号」の
入線までまだ時間があるから新幹線を撮影する。2階建てグリーン車
2両を含む16両編成の列車や、最新鋭のMAXなどを撮って回る。
かつては緑の帯を巻いた列車が主体だったのに随分変わったものだ。
 先発列車となる「MAXやまびこ・つばさ」を見送ると、いよいよ
「やまびこ・こまち9号」の入線だ。指定席を取っているので慌てる
でもなく乗車。車内は結構混んでいた。「こまち」を併結した列車は
速達便なので乗客も集中しがちなのだろう。
 「やまびこ・こまち9号」は東京を発車すると上野を通過して大宮へ
向かう。大宮でも結構乗車があって車内はほぼ満席状態になった。
大宮を発車すると次は仙台まで一気に通過する。
 新白河から記憶がなくなって、案内放送で目を覚ますと仙台到着。
ここで乗客の半分が下車する。次は一ノ関に停車。
 一ノ関でもまとまった降車があった。一関を出れば次は終着の盛岡。
 盛岡からは特急「はつかり9号」に乗車して青森を目指す。乗り継ぎ
時間は10分程度しかない。少し早足で在来線ホームに下りる。その
おかげで弁当を買うことが出来た。(^^)
 はつかり9号で一路青森へ。途中の乗降は殆どない。少ない乗客は
野辺地で普通列車に乗り換えてしまい、いよいよ乗客は少なくなり、
わびしさが漂う。この「はつかり」も東北新幹線八戸延伸で廃止が
決まっている。これが「はつかり」との今生の別れになるのかなあ・・
東北本線最初の特別急行もついにお別れか・・と感傷に浸る。そうして
いるうちに「はつかり9号」は青森に到着した。
 さて、ここからはいよいよ津軽海峡越えだ。快速「海峡9号」に乗り継ぐ。

北海道上陸!
  跨線橋を渡って津軽海峡線快速「海峡9号」に乗りかえる。
 「海峡9号」はカーペット車1両を連結している。私は
カーペット車に乗車した。今夜は「まりも」の座席車で寝ることに
なるから、ここで横になっておきたい。
 カーペット車は乗客も少ないので余裕十分。思いきり足を伸ばす
ことができる。
 先頭に立つ機関車は津軽海峡線専用の電気機関車。正面には
ドラえもんの絵が大きく描かれている。これは客車も同じだ。
後へ回ってみたら・・・あれれ?この列車は「海峡」なのに、後部の
テールサインは「はまなす」になっている。(笑)変更してないな。
でもとがめだてするのも気が引けるし、そのまま写真撮っちゃえ。
写真を撮り終えると客車へ戻り、横になる。は〜。これから座席で
ずっと過ごす身にはありがたい。
 横になっていると、発車案内が流れて「海峡9号」はガクンと
引き出された。機関車が牽引する客車列車特有のものだ。久しぶりに
この感触を体験する。
 途中で貨物列車と行き違い停車をして、蟹田に停車。
 蟹田を発車すると青函トンネル目指して進む。この青函トンネルは
前後に何箇所かトンネルが前座のように連続するのでな
かなか識別しにくい。しかし車窓を見ていると識別方に気付いた。
 それはトンネルのポータルという入り口の形で見分けがつくのだ。
青函トンネルはポータルが分厚く造られている。これに対して前座の
トンネルはいずれも土管のような簡単な造りになっている。だから
分厚いポータルが見えたら青函トンネルだ。
 前座のトンネルをこうして何箇所か抜けるのを見ていると、ついに
分厚い本格的な構えのポータルが現れた。いよいよ青函
トンネルだ。列車は一層速度を上げてトンネルに突入する。レールの
響きも変わった。トンネルの中は継ぎ目のない、全長5
2キロにも達する超ロングレールが使われているのだ。
 既に開通から10年以上が経ち、存在が当たり前のように扱われている
青函トンネルだが、やはり列車に乗って突入すると
「ついに来た!」
という感慨が湧きあがる。青函連絡船洞爺丸の海難事故を契機に建設が
促進され、40年以上の歳月を費やして完成。そして本州と北海道が
レールで結ばれたのだと回顧してみる。
 
 列車が減速した。吉岡海底駅である。本来は防災拠点だが、普段は
JR北海道が運営する「ゾーン539」の青函トンネル
博物館として運営されている。ここを見学して函館に帰る乗客が乗り
こんだようだ。乗車が済むと発車。しばらく列車の走行音を背中に受け
ていたが、やがて眠りに落ちた。
 青函トンネルを抜けて北海道に上陸すると、ドラえもんの声で案内
放送が流れた。それを夢うつつで聞く。目が覚めたのは木古内を出た
後だった。ここで「大阪」行き寝台特急日本海と行き違う。
 ついに北海道に上陸したのだ。何ヶ月ぶりだろう。車窓を流れる
景色を見ていると、何故か「帰ってきた」と感じる。私は北海道出身
でもないし、北海道に親戚がいるわけでもないのに。
 車窓は雨だったが、それでも懐かしさを覚えてシャッターを切る。
やがて函館山が見えてきたが、雨雲に頂上が隠されていた。ちょっと残念。
でも函館山が見えれば終着駅函館は近い。
 五稜郭で函館本線と合流して、「海峡9号」は函館到着。ここから
さらに特急「北斗19号」に乗り継いで札幌へ向かう。

札幌へ。
 函館からは特急「北斗19号」に乗り継いで札幌へ向かう。
私は指定された号車に行ってみると・・塗装が違う??
 なんと、1.2号車は札幌のJリーグ「コンサドーレ」色に
塗装されていたのだ。これにはちょっとびっくり。
 18:20「北斗19号」は函館駅を発車した。気動車特急独特の
エンジン音を上げて函館本線に入る。このエンジン音を聞くと、「いる
べき場所に戻ってきた」と感じる。
 途中、霧に包まれた大沼国定公園の中を進む。霧に包まれた小沼は
幻想的な眺めだった。身を起こして「すげえ!」と見入っていた。
 途中、森・八雲・長万部と停車していくが乗客の動きは全く無い。
まだ明るいので車窓はよく見える。森があんなに海の近くだとは思わなかった。
駅の向こうは防波堤で、すぐそこが噴火湾な
のだから。
 長万部ではニセコ・倶知安経由札幌行の普通列車がいた。乗り換えたい
衝動に駆られたが、「まりも」に乗り遅れたら困
る。次の機会にしよう。
 長万部を出たら室蘭本線。そろそろ夜の帳が下りて窓の外は灯りしか
見えなくなってくる。洞爺・伊達紋別・東室蘭と停車。
 列車は殆ど乗客の動きが無いまま室蘭本線を走りつづける。列車の
エンジン音だけが響き渡る。新札幌を発車してから、ほどなく旭川からの函館本線と
合流。ここまで来れば札幌は近い。
 21:54、「北斗19号」は札幌に到着した。少ない乗客はすぐに
階段を下りていってしまう。私は1.2号車に連結されていた「コンサドーレ色」
の車両を眺めてみた。結構この塗装は目を
引く。そういえば
臨時特急で「コンサドーレ号」が運転されたこともあったから、その時の車両かも
知れない。1号車のヘッドマークを見ると、「北斗」の
列車名の下はコンサドーレのチームカラーで、列車名の上には
「Consadole SAPPORO」のロゴが入ってい た。
ちなみに車体
側面には「Pass Shoot Goa〜l」と大書されていた。
「そういえば、W杯の時はGoa〜lが遠かったなあ」
と思い出した。
 さて、ここでようやく改札を出られる。ちょっと買物をしてこよう。

7/2〜3 釧路へ。
 続いての乗車は特急「まりも」。寝台車2両を含んだ列車だが、
北海道内での寝台車利用は別に特急券と寝台券が必要で、合計すると
8.820円もするために断念した。(TT)
 そうなると座席で1夜を明かすことになるのだが、眠れないのでは
困るから、札幌駅北口前のコンビニで夜食と酒を買い込んでくる。
寝る前にこれを呑んで寝よう。
 
 特急「まりも」が入線した。あれ?編成が妙に長い??停車位置が
ずれて停車した。扉が開くと一斉に乗客が乗りこむ。私も指定された
席に荷物を置くと撮影と編成記録を行うためにホームに出かけた。
 先頭から1両ずつ、号車番号と形式を控えていく。作家の内田百 の
故事に倣い、「列車を頭から尻までじっくりと観察する」。(笑)
 編成の中間に寝台車が2両挟まっているが、これはもともと客車で、
気動車で挟むようなものではなかった。しかし誰が考
案したのか、「特急用気動車の間に寝台車を挟んで夜行急行を特急に格上げし、
併せて機関車を削減する」という方法が登場
した。これは登場した時、「北海道方式」と呼ばれて注目を集めた。
 よく考え出したものだと感心する。反対側のホームには稚内行の特急「利尻」が
停車していて、こちらも同じように気動車の間に寝台車を挟んでいる。
 23:00、「まりも」は札幌を発車した。稚内行の「利尻」も併走
する。新札幌を出たあたりで車内改札。南千歳を出るまでに酒を飲み干したのだが、
なかなか眠くならない。南千歳を出てからしばらくして
車内が減光されて薄暗くなったのだが、寝つけない。隣が空いているのをいいことに
姿勢を何度か変えて寝ようとする。ここで寝ないと。

7/3 釧路に到着。
 特急「まりも」の車内で何度も姿勢を変えては眠ろうとし、何度目
かの正直でやっと寝つけた。(^^;)
 それでも午前2時台の到着放送はまどろみながらも耳に入っていた。
何度目かの眠りに落ちてしばらくした頃、チャイムが鳴って「おはよう
放送」が入った。時刻は午前5時。釧路到着まであと30分。列車は
とくに急ぐでもなく、ゆったりペースで走っている。起上ってみたら
片足が痺れていた。(^^;)どういう姿勢で寝ていたんだろう。
 足の痺れが収まるのを待って身体を起こす。流石に座席夜行は
しんどい。あんなに眠るのが辛いものだとは思わなかった。姿勢を
直してぼんやりと車窓に見入る。まだ意識がハッキリしない・・・
洗面所へ行って顔を洗うとようやく目が覚めた。

 「まりも」は5:30に釧路に到着。ここで小休止したあと、
7:39の特急「スーパーおおぞら2号」で池田に向かうことに
なっている。一旦改札を出て大鞄をコインロッカーに放り込んで
身軽になった。(この時ビッグラン北海道とカメラの予備電池を
入れた袋を出しておかなかったので、あとで慌てることになる)
 さて、和商市場へ行って「勝手丼」なるものを試してみようか。
 雨模様の中、和商市場へ行ってみた。しかしまだ大半の店は
閉まっている。参ったな。勝手丼を試そうと思ったのに。
 とりあえず中に入って白飯を買い、上に載せる具を求めて歩いて
見たのだが、どの店も閉まっている。どうしようかと途方に暮れていた
ら、白飯を売っている店の向かいのお兄さんが「うちのイクラ、どう?」
と勧めてくれたので、とりあえずそれをのっける。
他の具を
売っている店の場所も教えてくれたので行ってみたが、まだ閉まって
いた。(泣)仕方なくイクラだけの丼を平らげて駅へ戻った。まさかまだ
閉まっているとは思わなかった。あ〜あ。
 さて、「スーパーおおぞら」で池田に行こうか。
 

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