※この日記は、掲示板に掲載されていたものを、管理人の雄(ゆう)が編集したものです(^^)/
2001年11月11日BBS掲載 ・ ・ ・ ペンションの朝は早い・・朝5:30起床、ペンションに居る馬たちの餌やり、ペンションの掃除をする。その後、 ・ ・ ・ 16:00 引き馬の仕事を終え、疲れ切った体で、ボロボロのワゴン車で、第2牧場へと向かう。ちなみにフロント ・ ・ ・ ここのペンションの、メニューは少ない。
さて、この夏、我が輩は北海道は、ト●ムのリゾート地にて、牧場&ペンションにてアルバイトをしてきまし
た。
いつかは、北海道に住んでみたいというのが我が輩の夢であり、また、馬関係の仕事ができればなーー、なんて
思ってたので、喜びと期待に、胸ふくらませて、行ったのですが・・・・
いや、そりゃ、馬の牧場の仕事は、キツくて厳しいとは、聞いてて
、もちろん覚悟してましたよ、覚悟は・・・・し、しかし、キツいとか厳しいとかっていう、意味が違うとこで
したよ・・・
どう厳しいかと言いますと・・・
リアル北へ・・『北のダークサイド』
(登場人物は、すべて仮名です)
六月・・病気治療を終え、無事に退院ができたものの、今まで働いていたレストランの仕事がうまくいかず、ア
ルバイトを辞めた。
今まで、必死にがんばってきたのだが、その時の僕は、身も心も、消耗仕切っていた。
七月・・警備会社で(短期)バイトをしたせいか、体の調子もよくなり、1人旅をする元気もでてきた。今年
も、僕の好きな北海道へ行ってみたくなってきた。
しかし、何度も北へは旅をしているから、今度は北でアルバイトをしてみたいなと思い、乗馬ライフという雑誌
の求人欄を見てみた。
やっぱり、北海道らしいバイトがいいや。
『ト●ム、ある●すペンション 健康で体力の自信のある方。馬世話、乗馬補助、ペンション業
務・・・・・』
健康で体力の自信・・・腰痛が少しあり、入院生活でナマってはいたが、僕は今までハードな仕事をしてきたん
だし、何より、新しい事に取り組む気力が湧いてきていたこともあり、そこでアルバイトをしてみることにし
た。
北海道で働いてみれば、また元気を取り戻せるかもしれない、再び行ってみよう、北へ・・
七月後半・・フェリーで小樽に上陸、その日のうちに新冠村のトマムまでバイクで行くことになっていたが、夕
張をすぎたあたりから、土砂降りの大雨になった。が、なんとか、占冠に来てみたら、あの雨が嘘のように晴れ
わたった。
占冠村落をすぎると、あとはひたすら民家一つ無い田舎道を走る。すると、ト●ム・リゾートの高層ホテルが、
山々のあいだから見えた。この浮き世離れした光景は、新第三東京市に匹敵するものだった。
しかし、その時、観た光景は、一生忘れられない。
大自然の中に、さびしく建つ、2棟の高層ホテルの上を、高く、またぐようにして虹がかかっていた。
さき程の大雨のせいだろう。こんな、きれいな虹を見れたことの幸運を感謝するとともに、この幸運の後には、
何も無いような不安も沸き上がって来た。
まさか、その不安が適中するとは、思いもしなかったが。
その夜・・
けあふりぃ社長「おう、おまえがネコトランか。馬の仕事がやりたいって来たやつは」
ネコトラン「はいっ」
けあふりぃ社長「馬の仕事で一人前になるには、5年はがんばらないとダメだぞ。おまえを、牧場の経営ができ
るほどに厳しく教えこんでやるからな」
ネコトラン「はい?!。(5年・・・1ヶ月くらいのつもりだったのに・・そう言ってもらえるのは嬉しいけれ
ど、いまさら1ヶ月だけとも言えないし。でも、馬の仕事でがんばっていきたいという思いには、嘘偽りは無
い。と、とにかく、)よろしくおねがいします。がんばります」
けあふりぃ社長「おうおう、5年だぞ。最低5年はがんばらないと、一人前にはなれないぞ!」
ごっ、5年!?
琴梨(ナレーション)「いつのまにか、就職が決まったみたいだね。おめでとう、お兄ちゃん」
朝食。
8:30 ト●ムリゾートへ行き、放牧している馬を捕まえ、手入れをしてやり、馬具を付ける。
9:00 乗馬の営業?がはじまる(ト●ムリゾートの乗馬は、夏期のみ)。
乗馬と言っても、馬に乗ったことの無い観光客が主なので、僕達が馬を引き、お客さんはただ乗っているだけ
の、引き馬乗馬がほとんどでした。
しかし、引き馬乗馬でも、約30分間は自然の中を馬に乗って歩くので、レクリエーションとして十分に楽しめ
ます。
引き馬の仕事は、1日10H以上の引き馬(お客さんを10人乗せたとして)をするので、なかなかハードでし
た。しかし、苦しい以上の楽しさが、その仕事にはありました。
まず、お客さんを引き馬に乗せ、しばらく歩く。初めて馬に乗る人がほとんどで、最初は緊張気味だけど、馬
の乗り心地は、のんびりとしたゆれ方なので、しだいにリラックスされます。
ネコトラン「お客さん、北海道はどこか行きましたか?」
陽子「まだ昨日来たばかりなのさ。そういや富良野のラベンダーはもう咲いてるの?」
ネコトラン「んー富良野のラベンダーはそろそろ終わりだけど、麓郷の森の、遅咲きのラベンダーなら咲いてる
かな。富良野に行くんですか?」
陽子「ただ聞いてみただけさ。明日は娘と一緒に、屈斜路湖プリン
スホテルに泊まる予定なんだよ。」
どこかで聞いたような話だな
ネコトラン「屈斜路湖の周辺は、様々な湯質の温泉がたくさんあって、良いところですよ。露天風呂から眺める
湖畔は、とっても綺麗です。少し走れば、摩周湖があって、お土産なんかは阿寒湖のアイヌコタンで買ったらい
いですよ」
陽子「へぇ、そうかえ。ところで、この馬の名前は?」
ネコトラン「道産子の和種馬。名前はマルオです。道産子は日本在来種の馬で小柄な体格ですが、脚はしっかり
していて重たい荷物でも平気だそうです。ちなみに、蹄が大きくてラオウが乗ってそうな馬(笑)を道産子と言
う人がいますが、あれは輓馬とよばれていて、ヨーロッパから輸入された馬だそうです」
そうこう言っているうちに、高層ホテルが綺麗に映る所で記念撮影。
メガネ琴梨「あら、写真撮るなら、メガネ外さなきゃ」
うっ、スッゲーかわいい。
そういや引き馬の仕事をしていて結構、美人にも会ったなー。
陽子「そういや、馬の仕事って大変なんだろ?あんたも好きだねー。娘も、なんか馬好きみたいだし・・ちなみに
さ、時給いくらなのさ」
ネコトラン「(しばし考え)ひと月4万円だから・・・時給約150円かな」にこやかな笑顔。
陽子「ひゃくごじゅう円!?そ、そりゃ馬が好きでないとできないねぇ」引きつった笑顔。
馬の扱いには、油断は禁物ですが、馬に乗せるだけで無く、お客さんに北海道のことや馬のことを話して、楽し
んでもらうのも、一つの仕事でした。
思えば、北海道に毎年旅に来て、いつも迎えられる立場にいましたが、今ではお客さまを迎える立場にいるの
が不思議でもあり、楽しくもありました・・・・
それだけなら・・・・・僕は迷わずト●ムに居続けるのに・・・
16:00 あんな仕事さえなければ・・・・
ガラスの車検シールが平成5年と書いてあるのは、秘密なのだ。
メロン屋のおやじ(仮名)「おいらの運転、とても無免許には見えないだろ」
その言葉を聞いて、人生を無免許運転者にゆだねてしまったことに後悔した。
たすけてぇー、恐いよー
まぁ、しかしト●ムは、本州では考えられないくらい、交通量は少なく、警察の法の手も及んでいない(お
い)、場所なので、事故でも起こさないかぎり、見つかる事は無い。事故が起きたら?それは言わないで・・・
(あ、言っときますけど、この物語は事実を元にした、フィクションです。フィクション)
で、第2牧場に到着。ここには馬の親子が15頭くらいいて、ボロっちい馬小屋があり、その小屋の補修が、い
つもの主な仕事であった。
けあふりぃ社長「よしっ、ユンボ(工事用パワーショベル)動かすぞぉー!」
社長がユンボに乗り込んだら、もはや誰にも止められない・・
基●外に刃物、ドズルにビグザムである。
けあふりぃ社長「その丸太をワイヤーで括りつけろ!(怒声)」
僕達は、その指示に右往左往。ボーとしていたら、いつショベルで生き埋めにされるか、キャタピラに踏みつ
ぶされるかわかったものではない。
ネコトラン「で、丸太を括り付けて、社長は何をするんです?」
耕作「しらん。いつも作業の説明をするまえに、ユンボに乗り込んでいるからな」(この牧場で働いて、8年)
社長のユンボの通った所は、草木も生えない(いや、本当だって)ユンボのキャタピラが草を踏みつぶし、ぬ
かるみを造るからだ。
雨が降っても、必要も無いのにユンボを動かすので、ぬかるみに水が溜まり、ヒザまで沈む沼地になる。それ
をユンボで、溝を掘って、雨水を流そうとするが・・・客観的に見て、その光景は、幼稚園児がユンボを使って
泥遊びをしているようにしか、見えない。
ネコトラン「た、楽しそうですね。社長さん」
蒼き月の夜「そう言っていられるのも、今のうちさ。そのうち殺意をおぼえるよ、なんせこんなのが毎日続くん
だからな」
ネコトラン「ま、毎日っすか?!」
18:00ようやく、夕食・・・・・
お客さん用のメニューでさえ
スキヤキ、毛ガニ、ジンギスカン、しゃぶしゃぶ・・・
の主に4種類で、ローテーションを組んでいる。
ま、お客さんは良いですよ。そりゃ1泊だけの人が多いから。
しかし我々働いている人の、おかずメニューが・・・
1日目、塩サバ。
2日目、マーボー豆腐
3日目、鮭の塩焼き
4日目、ジンギスカン
5日目、塩サバ
6日目、マーボー豆腐
7日目、鮭の塩焼き
8日目、ジンギスカン
9日目、こてっちゃん
10日目、ジンギスカン
11日目、カレー
12日目、スキヤキ
13日目、塩サバ
14日目、ジンギスカン
・・・・・・・・・・・・
・・・・・ま、さすがに4種類以上は、あるけど・・
こんな感じで、同じメニューがくり返されるんですよ!しかも、美味しく無い!
えっ?北海道なら海の幸に恵まれているから、魚だって美味しいんじゃないのかって?
ふっ・・・、北海道の地図を広げて見てくださーい。ト●ムは、北海道の一番内陸部、山奥、ド田舎にあるんで
すよ!
よーするに・・一番、海の幸からは無縁の場所なんですよぉーーー(T_T)
ト●ムでも、新鮮な海の幸は食べれますよ、そりゃ・・・リゾートホテルに泊まっていればね。だけど、弱小ペ
ンションの、しかも、お客の9割がバスガイドと、バスの運転手のここでは、余り美味しいものとは、縁が無いで
す。
ちなみに、このペンションで一番美味しかったのは、ジンギスカンでした。
そーいや、真夏に鍋物を出すペンションは、ココくらいのものでしょう。