今までのあらすじ

ネコトランは病気で入院。退院したものの、元気が無く落ち込んでいた。
そんな時、北海道でアルバイトでもしてみようと、バイクで北へ・・
ト●ムの、某ペンション&馬牧場に行ったのだが。

朝はペンションの掃除。
昼間はト●ム・リゾートで、お客さんを馬に乗せて歩かせる、引き馬乗馬の仕事。
夕方は、危険きわまりない土木工事。
と、朝6:00から夜9:00まで、働くという過酷な労働条件であった。

おまけに、そこで使用する自動車は車検切れ&無免許運転。
食事は内陸部でもあり美味しくなく。
1ヶ月間のバイト料は休日なしで、4万円。時給にして100円くらいであった。

それでもネコトランの試練は続く。

(注意)
リアル北へ。は、事実を元にしたフィクションです。
一部、法律に違反するような行為がありますが・・
そこがフィクション(笑)とお考え下さい。
なお便宜上、北へ。キャラが登場しますがそれは(仮名)です。
実在する、個人団体、ゲームとは、一切関係ございません。

(1)馬は人をみる

トマム・リゾートでの、引き馬の仕事については、ページ6のリアル北へ。に書いてありますので省きます。

昼間は、その引き馬に乗るお客さんが多く、大変忙しい毎日ですが、たまに暇な時があります。

そんな時は、お客さんが来るまでアルバイトの人が、乗馬を楽しむ事ができます。
ト●ムでは、暇な時間にできる乗馬だけが、唯一の娯楽でした。でしたが・・

由子「それじゃあ、馬に乗ってみて」

ネコトラン「はーい」
私は、この牧場の初心者用の馬である「ヤトウ君」に乗りました。

ヤトウ君は、クォーターホース(西部劇にでてくるアメリカの馬)と道産子のハーフです。
ちなみに名前は矢藤さんから、貰われたので、ヤトウ君という名前になりました。

ネコトラン「ほれ、行くぞヤトウ君」
足のかかとで軽く馬の腹を打ちます。これが馬を前進させる合図です。

ヤトウ君・・無視

ネコトラン「チッチッ(ぜっく)」
この、ぜっくも前進させる時の合図です。足で軽く馬の腹を打ちます。

ヤトウ君・・無視

ネコトラン「チッチッ」
馬の腹を蹴る。

ヤトウ君・・無視

腹を蹴る! ヤトウ君・・無視

オラ!オラ!オラ!(蹴るケル蹴るケル蹴るケル!)・・ヤトウ君ちっとだけ反応。

由子「どうしたの?」

ネコトラン「この馬、全然動きません(汗)」

由子「おかしいわね?私がヤトウ君に乗ってみるわね」
由子さんは、ヤトウ君に乗り換え、同じ手順で前進の合図すると・・

ヤトウ君は動いた。他の動作の合図も、言う事をよくきく。

ネコトラン「なんでー」

由子「ちゃんと動くよ、この馬。あなたこの馬にナメられてるわよ。馬って人をみるって言うでしょ」

ネコトラン「はぁ」

ネコトランは乗馬初心者ではありますが、馬を前進させるだけの為に、これ程までに手こずった事はありません
でした。
はっきり言ってショックでした。


馬は人をみる、という意味。

馬というのは、人間同様にそれぞれ個性を持っています。怠け者(馬)もいれば、言う事をよくきく馬もいま
す。
ヤトウ君の場合は、ちょっと怠け馬だったようで、私が最初に馬の腹を打った時に反応しなかった時に、すかさ
ず腹を打って前進の催促をしなかったので。
ヤトウ君「こいつなら、サボれるぜ。ヒヒ」と思われたようです。

それで由子さんに換わると、サボろうとすると、すかさず前進の催促をするので。
ヤトウ君「この人はベテランでサボれないな。しかたがない、言う事をきかないと怒られるぞ」と思い、素直に
動いたようです。

あー、馬の世界は奥が深い。

イカン!北へ。のBBSで、乗馬の話をしてしまった(汗)。

(2)北海道の道での落とし物

ト●ムでのアルバイトは、引き馬や土木工事などなど、とても貴重(笑)な体験をしましたが。もう一つ、馬の
エサをもらいに行ったのも、北海道ならではの体験だったな・・北海道ならではの・・

みなさんは、北海道の道で、何か落とし物を見かけたことはありませんか?

キツネの死骸とか?牛の糞とか?・・・甘いですな、みなさま。
そりでは、今回は道路での落とし物の、お話です。

ト●ムの北にある、富良野では8月はニンジンの収穫時期だそうで、たくさんのニンジンが採れます。
スーパー等で商品に並ぶニンジンは、とびきり形の整った物だけでして、他の傷物や小さい物等は全て捨てられ
てしまいます。もったいない・・・
と、いうわけで、我らが牧場の馬のエサとして確保すべく、4回にわたって、4トンダンプ(車検切れ)でニンジ
ンをもらいに、富良野のニンジン出荷工場に行きました。

商品にならないニンジンとはいえ、形が整っててツヤツヤだけど、少し小ぶりだというだけで、捨てられてしま
うニンジンが、コンテナ3個分あり、驚く。傷物で捨てられるニンジンはさらに倍の数にのぼる。

ネコトラン「商品にならないニンジンがこんなに・・」

耕作「形の整ったニンジンなんて、収穫された中のほんの僅かな数だけさ。その僅かなニンジンが、全国の店頭
に並ぶ」

ネコトラン「うーん、スーパーに並ぶニンジンって、エリート中の、エリートだったんですね」

そうこう言ってるうちに、フォークリフトでニンジン満載のコンテナを持ち上げ、ダンプにニンジンを入れるの
だが。コンテナを開けて、ニンジンを落とすのは、例によって私。

コンテナを開けると、人参が雪崩れをうって落ちてくる。危うくニンジンの海に生き埋めにされかかる事もあっ
た。ニンジンに埋もれて、死にたくないです私。
馬にとっては、ニンジンの山はグリム童話のお菓子の家に匹敵する夢のような光景でしょうが、ニンジン嫌いの
人間にとっては、悪夢の光景でしょうな。

それで、ニンジン満載のダンプ(車検切れ)に乗ってト●ムに帰る。

メロン屋のオヤジ(仮名)「このダンプ、クラッチが滑ってるなーもしかして、途中で止まって、押して帰るこ
とになるかもなー」

耕作「んー、他にダンプを引っ張れる車があったかな?」

ネコトラン「ちょっと、カンベンして下さいよー」 

つづく  

(3)落とし物

故障の心配をしつつ、なんとかペンション近くまで帰ってくることができましたが、道路の路肩に気になるもの
が見えたのです。

それは一見、牛の糞に見える物体だったのですが。

耕作「うーん、何か気になるから車を停めて、見てみるか」

ネコトラン「ただの牛か、馬の糞でしょ?」

メロン屋「道路にか?」

一同「・・・・・・・・・・・・・」

それで、近付いて見ると動物の糞には違いなかったのだが。

耕作「糞に動物の毛が混じっているな・・・」

ネコトラン「キツネの糞ですよね?」

メロン屋「こんなに馬糞みたいに大きな糞をするキツネがいるか?」

耕作「結論から言おう、熊の糞だな」

ネコトラン「こんな道路に熊が通るんですか」

あたりを見回すと、丁度そこには立て看板が・・

『熊出没、注意』


一同「・・・・・・・・・・・・」


耕作「いやー、こういった立て看板はこの辺りじゃよく見かけるけど、てっきり観光客を喜ばす為の看板かと思
ってたけど、本当にいるみたいだなーははははははははっ」

メロン屋「はははははははっ」

ネコトラン「はははははははっ・・・って、ペンションがすぐ近くなんだけど・・・・・」

(4)落とし物

ニンジン運びは、無事に終わることができました。

日がかわって、今日は草ロールを運ぶ事になりました。まだ8月でしたが、もう冬にそなえて草ロールを倉庫に保
管するのです。

さっそくトレーラー(車検切れ)で、牧草地へ向かう。

牧草地には、トラクターに乗った爺さんがまっていて、草ロールをみるみるうちにトレーラーに載せていく。

草ロールをトレーラーに山盛り満載(たぶん過積載)して、ロープで縛る。

蒼き月の夜「後ろの草ロールも、ロープで縛りますか?」

耕作「いや、後ろはトレーラーの油圧ドアがあるから縛らなくていいよ」



これが後の悲劇を招くことになろうとは・・・



トレーラーは一般道に出て、順調に走っていた。


キューーーー、キューーーー

何か空気が抜けるような音が聞こえる。

耕作「何だこの音は?」

ネコトラン「さあ、後ろは別に・・」


とっ、サイドミラーを見た、その時!





ネコトラン「草ロールが、草ロールが落ちていきます!」

耕作「なっ、なにー!」

そう、草ロールはトレーラーから落ちてバウンドして、転がっていくのが見えた。

すぐにトレーラーを停めて様子を見ると、油圧ドアが開いていて、草ロールが道路に3つほど落ちていた。

油圧ドアの油圧が抜けた音が、さっきの気の抜けた音だったのだ。

耕作「草ロールが道の真ん中に落ちている。ロールを道の路肩に動かすぞ」

耕作さんと私とで、草ロールを動かすのだが、ロールは横に倒れていて転がらないし、そしてロールは思った以
上に重かった。

草と聴いて、軽いイメージがあるが、草ロールは圧縮して丸められていて質量はあり、とても1人で動かせられ
るものではなかった。

もちろん人力でトレーラーに載せられる物でもない。

それでも何とか2人で草ロールを、道の路肩まで移動させることができた。

耕作「それにしても・・」

ネコトラン「はい?」

耕作「トレーラーの後ろに、車がいなくて良かったな・・もし草ロールが走行中の自動車にぶつかっていた
ら・・・」

ネコトラン「・・・・・・・」

ト●ムの道路の交通量は大変少ないが、それでも観光客の車とかはよく通るし、事故にならなかったのは不幸中
の幸いだった。

もし夏の北海道で、道のへりに草ロールが落ちていたら・・それはネコトランが落とした物だと、思って下さ
い。

(5)最後に・・

何はともあれ、ネコトランはこの牧場を8月いっぱいで辞めることにしました。
まー、理由は今まで書いたことも含めて色々とありましたが、一番の理由はやっぱ、一ヵ月が4万円という給料
が・・・ね。

書くのが随分と遅れまして申し訳ないです。書いて良い物やら判らないヤバイ話なんかもあって(実はヤバイ話
が一番面白そうだったのですが)迷っているうちに書き逃してしまいました。

別にネタを造っていたわけでは無いです。一応、事実を元にしたフィクションですが。

誤解の無いように言っておきますが、ト●ムは良いとこですよ。

まともに北海道でアルバイトをするなら、ト●ム・リゾートなんかのホテルなんかですれば、きちんとした時給
でもらえますし、十分な休み時間もあって遊びにも行けます。

ただ、やはり馬の牧場関係の仕事なんかは、他のとこでアルバイトをしても給料は少ないと思います。休みなし
で4万円というのは、他には無いと思いたいですが。

今まで読んでいただき、ありがとうございました。

と、言うわけで。ネコトランは9月1日に飛行機で実家に帰ることができました。

琴梨「あれ?行く時はバイクで来てなかったかしら?」

ネコトラン「・・・・・あっー!バイクを修理に出したままで、忘れて帰ってしまった」

次回の『リアル北へ』に続きます。

次回『リアル・北へ』予告

自分の愛車であるバイク、SR-400ミリタリーカスタムを富良野のバイク屋に預けて忘れて帰った、我らがネコト
ラン。

再び、馬の仕事を探すついでにバイクを取りに行くのだが・・・
北海道の冬将軍は確実に近付きつつあった。

雪が降る前に、バイクを引き取りに行くことができるのかネコトラン?

そして、ネコトランの行く手をさえぎる赤いHONDA軍団?


次回、リアル・北へ

『ネコトランの優雅な就職活動(11月の旅)』



先に(スパイ編)を終わらせます。

 

リアル北へ・・『北のダークサイド』1へ。

日記ページのトップに戻る。