『友達』


       
エピローグ。その1

・・・葉野香とターニャ、二人を乗せた汽車は、その後程なくして札幌
駅へと。
そして二人は、ターニャが乗るべき汽車の発車時刻ギリギリまで構内で
おしゃべりを楽しんだ。
少しして小樽行きの汽車がホームに入り、ターニャと彼女を乗せた汽車
が去って行く姿を見えなくなるまで見送った葉野香。
そして・・・

葉野香>
ふぅ・・・家に着いちまったな・・・
なんだかんだ言ったって、今あたしがいれる場所は、ここしかないしな。
やれやれ。まぁしかたがないか。
店の電気がついているって事は、一応兄貴のヤツ仕事してたのかな?
まぁいいや。
さて・・・と。
クソ兄貴の馬鹿面でも拝んでやるかな。

『ガラガラ!!』(勢い良く戸を開ける)

葉野香>
おら!!クソ兄貴!!今帰ったぞ!!いるんだろ!!?

達也>
は・・・は・・・は・・・葉野香ぁ〜!!!!

『がばぁ〜っ!!』(抱きつき!!)

葉野香>
うわっ!!?テメェッ兄貴!!いきなり何しやがるんだよ!!?

達也>
葉野香ぁ〜・・・かかか、帰って来てくれたんだな〜・・・
おおお、おれぁ〜・・・清美に逃げられて、挙げ句の果てまでお前にま
で家出てかれたらこのさきどうしていいか解らねぇ〜よぉ〜(半べそ)
だだだ、だから帰ってきてくれて本当嬉しくってよぉ〜(本泣き)

葉野香>
あ〜!!解った!!解ったからいっぺん離れろ!!このクソ兄貴!!

達也>
葉野香ぁ〜本当すまなかったよ〜・・・

『べちょ・・・』(鼻水接触)

葉野香>
うわああぁぁぁ〜!!!??こここ、このク・ソ・ア・ニ・キィ〜!!
!!!!!!!(激怒)

『ばこおおおぉぉぉぉぉ〜〜っ!!!!』(ショートフック炸裂)

達也>
うぎゃあああぁぁぁぁぁ〜!!!!(ぶっとばされる)

葉野香>
汚ねぇ〜じゃないかよ!!このクソ兄貴!!

達也>
だってよぉ〜・・・(泣)

葉野香>
だってもクソもねぇ!!
はぁ〜・・・ところで清美さんの方は、どうなってんだよ!!?

達也>
じっ、実家に電話してみたんだけどよぉ〜・・・清美ちゃん、俺だって
言ったら電話切りやがってよぉ〜・・・(えぐえぐ)

葉野香>
電話ぁ〜?ばっかじゃねぇ〜の?
あんだけの事やったら切られて当然だろぅ?
とにかく実家まで行って土下座でもして誠意の一つでも見せて来いよ。
それぐらいやらないでどうすんだよ!!・・・ったくよぅ〜
そしてその後は、心を入れ換えてラーメン作りに励めよ!!?
でないとあたし、ほんっとぅ〜・・・に出てくからな!!?
解ったか!!?クソ兄貴!!

達也>
あ、ああ・・・解ったから出てくなんて言うなよ〜・・・(めそめそ)

葉野香>
ったくよ〜・・・それとこれ!!兄貴にやるよ!!

達也>
な、なんだコレ?

葉野香>
ちっ・・・今日は、バレンタインだろ?今日だけ特別だ。
くれてやるよ。

達也>
は、葉野香ぁ〜!!!!(飛び付き)

葉野香>
だ、だから抱きつくなってんだろおおぉぉぉ〜!!!!

『ばきゃあああぁぁぁぁぁ〜〜っ!!!!・・・』


       エピローグ。その2

ターニャ>
今日は、とても楽しい一日でした。
はやか・・・今度は、わたしからはやかに会いに行きましょうか・・・
はやか、きっと驚くでしょうね。(笑)
何だか今日の事誰かに話したい気分です。(そう言って腕時計を見る)
少しくらい遅くなっても大丈夫ですよね。
嘘も方便ですから。(くすくす)

『カランカラン』(呼び鈴)

ターニャ>
マスター今晩は。(にっこり)

マスター>
おや、ターニャ。おかえり。
今日は、何時もと比べて随分遅いじゃないか。
何か良い事でもあったのかい?(にっこり)

ターニャ>
はい、ありました。とっても良い事でした。
でも何故解ったのですか?

マスター>
はっはっはっ・・・そりゃあ〜解るさ。
今日のターニャは、とっても良い表情をしているよ。
誰が見たって解る。一目瞭然さ。
少なくてもわたしが見た中では、3度目かな?それだけの良い表情は。

ターニャ>
ふふふ・・・わたし、はやかに会ったんです。

マスター>
はやか・・・ああ〜前にターニャが言ってたお友達の事かい?

ターニャ>
はいっ!!そうです。わたしにとって、大切な大切なお友達です。
今日は、はやかと沢山お話しをしました。
そしていろんな事を知りました。
わたし、今とっても嬉しいんです。(笑顔)

マスター>
そうか・・・どうやらターニャは、この日本に来て最高の友達と巡り会
えたようだね。
大切にするんだよ。ターニャ。(笑顔)

ターニャ>
はいっ!!勿論です。
今度マスターにも会わせてあげますね。
はやかもここのロシアンティーの味、きっと気に入ってくれるはずです。

マスター>
ははは・・・そうかね。それじゃあ楽しみに待ってるよ。

ターニャ>
はいっ!!
・・・あ、もうこんな時間。
流石にもう嘘も方便も無理ですね。(笑)

マスター>
ん?何の事だい?

ターニャ>
ふふふ、何でもありません。(笑)
それじゃあわたし、今日は、これで帰りますね。
わたし、これからも頑張ります!!

マスター>
そうかそうか・・・頑張りなさい、ターニャ。
わたしも、そして葉野香ちゃんも応援してるよ。(にっこり)

ターニャ>
はいっ!!

『カランカラン・・・』


               おわり

 

あとがき。

本作品を読んで下さった方、おつかれ様でした。
今日は、久保 真です。(^-^)m(_ _)m
このたび、北へ。サイドストーリーを書いてみたのですが如何でしたで
しょうか?
わたしとしては、連載ものを除けばネット上でこれだけの規模の作品を
公開したのは、始めての事です。
葉野香とターニャの友達としての話しは、前から書いてみたかったんで
すよ。
出来栄えは、如何なものでしょうか?
出来ますれば、皆様の感想を聞かせて頂ければ幸いです。(^-^)

それでは、失礼します。
久保 真でした。(^-^)

 

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