〜達古武沼にて〜

■ 釧路湿原第一日目2 ■


達古武オートキャンプ場を後にし、再び木道へと向かう。

虫の羽の唸るような音はいつの間にか止み、今度は小鳥の鳴き声が
聞こえてきた。
この湿原の森の中にも様々な野鳥が住んでいる。
湿原は鳥にとっても、貴重な餌場というわけだ。

虫がうっとおしく感じる、じめじめした場所ではあったが、鳥の
鳴き声を聞いていると、やはり清々しい感じがしてくる。

「おはようございます」
「あ、おはようございますー」

道を歩いていると、修繕をされている方が声をかけてくれました。
朝からとても気分がいい。
足取りも軽く、道を歩く。
虫が多いとはいえ、ここも大切な観光地。
怪我などをしないように、こうやって修繕を行ってくださる方が
いると言うのはいいものです。

空は雲もどんどんなくなっていき、心地よい気温にもなてきた。
木道を進んでいると、お、大きな鳥が!
あれは……鷲?
……いや、とんびでした。残念。

ゆったりと木道を進み、細岡駅へと戻ってきた。
少々疲れたな……少し中で休むか。

細岡駅の中には、中で寝泊まりしたバイクの人たちや旅行者などの
かきこみがあり、こんな場所でも旅人が思いでを作っていることに
少し感慨深いものがあった。





ここで休んでいたおばあさんと少し談笑した後、歩いて釧路湿原駅
へと向かうことにした。
ここからは、約3km。
まあ、ちょっと歩くのもいいかもしれない。
おばあちゃんに別れを告げて、一路細岡から釧路湿原駅へ。
ここからは道を南下し、
鋪装されていない砂利道を行くことになる。

てくてくてくてくてく

横を、車がなかなかのスピードで通り過ぎていく。
やはり車は楽そうだ。
しかし、今日は暖かいなぁ。
歩いていると汗が吹き出してくるぞ(汗

ふうふうふうふう。

上着脱ごう、まじ暑い(ーー;)
いまどれくらい歩いてるんだろう。
砂利道は釧路川にそって続いている。
それを右に眺めながら進んでいく。

お、線路だ。
これを超えると、釧路湿原駅はもうすぐだ。
……って、最後に坂?(^^;)
坂はかなり長く続いており、登っている間にも汗が……暑い、暑いぞー
坂を登っていると、観光客がちらほらと見えてきた。
そして、坂道を登り切った先に、大きな建物が見えてきた。
お、これがそうかな?

■ 細岡ビジターズラウンジ ■

細岡展望台へと向かう遊歩道のちょうど入り口にある湿原会館だ。
ログハウス調になっており、中には視聴スペースと喫茶店があり、
湿原観察地図を200円で売っている。
テレビでは釧路湿原の成り立ちや、湿原の四季、丹頂鶴の生活など、
様々な事を学ぶ事もできる。
ここにはテラスもあり、ここからのんびりと湿原を見渡す事もできる。

場所:釧路郡釧路町字達古武22番地9
時間:4・5月……9:00〜17:00
   6・9月……9:00〜18:00
   10・11月……9:00〜16:00
   12〜3月……10:00〜16:00
休日:12月31日〜1月5日
TEL:0154-40-4455
無料駐車場あり(50台)
トイレあり(バリアフリー)

この建物の前にはベンチがあり、ちょっとここで休憩。
フィルムを入れ替えて、ふと後ろを振り返ると……。
お、この会館の先に、木を組んだ階段があるぞ。
ここから先に行けるのかな?

少しきつい階段を登ってみると、
アート広場という小さな展望台が
あった。
ここには、写真がいくつかパネルで飾られており、ここからも、湿原
を眺める事ができる。
でも、ここでは少し我慢して、先の湿原を目指す事にする。
なだらかな坂を進んでいくと、途中左手にトイレ、右に細い道があった。
お、ここかな?
細い鋪装された道を進んでいくと、視界が開けた。

おおおお!
これはすごいぞ!

■ 細岡展望台 ■

湿原の広さだけでなく、川の蛇行までがしっかりと観察できる、大変展望
の良い場所だ。
有名なのは、《大展望》と呼ばれる題二展望台で、左端には岩保木水門、
正面は釧路川、地平線に目を向けると雌阿寒岳、雄阿寒岳も見える。
この広い展望のおかげで、釧路湿原の中でも指折りの人気スポットだ。
樹木に囲まれた最高位置にあるのが、先に訪れた第一展望台で、東屋に
パネル写真にテラスがあり、ここも題二展望台とはまた違う見え方を
するのがまた面白い。
釧路川の蛇行の先は国立公園の特別保護地域に指定されており、湿原が
原始の状態でそのまま保存されている。


しかしこれは凄い眺めだな〜〜〜
写真で見ていた何倍も広さを実感できるぞ。
そのまま、展望台をうろうろうろうろ(ぉぃ(笑
原始の自然がそのまま残り、何千という生命が息づく湿原を上から見下ろ
すと、なんか神様にでもなったかのような不思議な錯角を覚えてしまう。
建物に囲まれ、日々空を見ないような生活を送っていると、この湿原が
とても非現実的に見えてくる。
なんだか、ここが日本ではないみたいな感覚もしてくる。

15分ほどこの湿原を堪能した後、時間を見ながら湿原を後にする。
少し名残惜しいが、まあ仕方がないですな。

ビジターズラウンジに到着して時間を見てみると、なんと電車の時間まで
1時間半も時間に余裕ができていた。
なんと、これはびっくり。
順調すぎて心配だなぁ(笑)

食事もかねて、すこしビジターズラウンジで休憩をとることにした。
喫茶店でホットドッグと紅茶を頼んで備え付けのソファに腰をおろして
メモをまとめる。
ホットドッグと紅茶で630円でございました。
そして食事しながらテレビを観ていると、なんか眠気が……(笑)
少し仮眠をとるか。歩きづめだったしなぁ。
時刻は10時30分。
携帯電話のアラーム機能で時間セットで鳴るようにして、ソファで
少し仮眠をとる事にした。

携帯電話のアラームで目を覚ますと、11時。
列車の時刻表を取り出してみてみると、釧路湿原駅に列車が到着
するのが11時22分。
そろそろですな。

ひとつ大あくびをし、ビジターズラウンジを後にする。

ビジターズラウンジから前の道路を超えたすぐの所に、急勾配の階段
がある。
どうやらここから、釧路湿原駅に降りる事ができるらしい。
う、初日の双瀑台での無理が祟ったのか、どーもふくらはぎが筋肉痛。
でも、一生懸命降りていく(笑)

■ 釧路湿原駅 ■

カラマツで作られた、ここもログハウス調の駅舎だ。
釧路湿原一帯の駅舎は、だいたいがこのようなログハウス調だ。
自然に溶け込むような所を意識して作られたそうで、釧網本線の遠矢駅〜
細岡間にあり、5〜10月まで開設されている。
しかし、ここってオレンジカードの販売とかしてなかったっけ?
とてもぼろっちくて寂れてるのは何故だ( ̄▽ ̄;)
トイレも汲み取り式で整備されてないし、観光地なのに、どうも廃屋っぽい
感覚が漂う駅舎だ。
まあ、木造平家だから痛むのも早いのかもしれないが、もうすこし
整備をちゃんとしたほうがいいように感じた。
北海道も、予算がないのだろうか(^^;)

また、この釧路湿原駅では、7〜8月の間、熱気球の体験搭乗もできる
そうで、上空から釧路川の蛇行を眺めることができる。
近くの気球広場から飛び立つことになっており、地上からの距離は
およそ30〜50m。

連絡先:JR北海道釧路支社
TEL:0154-24-1235
風速3m以下の晴天時に運行。(要事前確認)
一人1400円

さて、ここで待っていると来る列車が、有名なノロッコ号だ。
緑に塗られ、指定座席は木でできている、なかなか面白い乗り物で、
観光客は一度は乗るという人気列車でもある。

ホームには私以外にも観光客がカメラ片手に待っており、やはり
人気の列車なのだな、と感じた。
のんびりと待っていると、がたごとと列車の音が近付いてきた。
ノロッコ号だ。

■ ノロッコ号 ■

釧路湿原を眺めながら釧網本線を走る、オープンエアの観光列車
湿原散策エリアの最寄り駅に各駅停車しながら、時速30kmという
低速でのんびりと走るのが特徴。
またポイントとして、釧路発だと、湿原は列車のいつも左側に見える。
なので、自由、指定ともに左側の座席を指定して座るといい。
自由席・指定席ともに2両編成。前2両が自由席。
7〜8月は観光客でごったがえすので、早めの指定席予約は必須。
釧路4番ホームあら発車、乗車受け付けは発車20分前から。
望む席に座りたいなら30分前から、混雑する夏期は、1時間前には
行って並んでもいいかもしれない。
ツアー客のみなさんで占拠される可能性もありますしね(笑)

また冬には、「SL冬の湿原号」というのも走るらしい。
1月の土日祝日と2月〜3月にSL列車が釧路〜標茶を往復している。
一日一往復だが、カフェカーが連結されており、運賃1040円。
前車指定で別途800円必要。

きっぷを買って中に乗り込む。

ふむ、やはり指定席以外は、ふつうの列車だな……。
ちょっと残念な気もしたが、まあ予約してないから仕方がない。
ここはわがままを言わずに、外の景色を楽しむとしよう。

湿原やカヌーステーション、釧路川を間近に見ながらくつろいで
いると、突然ノロッコ号の歌がかかりはじめた(笑)

《♪ はしれーのろっこご〜 ♪》

阿寒湖のまりもといい、歌好きだな、北海道の観光地(^^;)
どうやらCDも販売されているらしく、この歌、家でも聴けるのか。
これは、まあ、これでいいけど(笑)

車掌さんが、途中乗車の私達に声をかけてくる。
切符購入を中で行うのだ。
そこで、『ノロッコ号乗車証明書』なるものがもらえた。
これはしおり型になっていて、読書の度に、ノロッコ号を思い出せる
といった仕組みだ。

さて、ノロッコ号は
塘路駅に到着。

塘路駅も、ログハウス調で、かなり清潔に整備されているようだ。
中には喫茶店があり、駅舎=喫茶店といった感じの造りだ。
いったい、どこまでが鉄道管理なんだ?(^^;)

なんだか珍しいので一枚撮ろうとしたら、激しく怒られてしまった。

……いかん、やっちまった。かなり疲れているらしい……(==;)

……しかし、怒られながらも、ここで次自転車を借りるしかないのである。
素直に謝って、自転車を借りる手続きをするのだが、これがかなりツライ(汗
ふう、ちと今までにないポカをやらかしたな。
午前中の疲れが出てきたかな。無理は禁物ネ( ̄▽ ̄;)

ちと出鼻を挫かれた感じのする塘路駅からの観光だが、ここは気持ちを
入れ替えて頑張っていこう(;`ー´)

という事で、まずはサルボ展望台へと向かいます。

それでは、次のページへどうぞー(A^-^;)/
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