早朝の屈斜路湖
〜早朝の屈斜路湖〜

■ 摩周湖〜屈斜路湖〜阿寒湖〜釧路1 ■


なぜか目覚まし時計が30分も遅れていて、6:50に起床(^^;)

7:10くらいに着替えをすませ、フロントへ。
ここでフロントの方と観光バスについて色々と相談したところ、どうも
摩周第三展望台には、川湯温泉からの阿寒パノラマコースのバスでは
向かわないらしい。
それに加えて砂湯にも行かないという事を聞き、それならば、と、タクシー
を呼んでもらい観光バスでは行かないという砂湯と、摩周第三展望台へと
貸し切りで行ってもらうことにした。

到着したタクシーの運転手さんに相談し、まずは砂湯へと向かう事にした。
川湯温泉街からおよそ10分で到着できる距離だ。

■ 屈斜路湖 ■

クッシーという謎な生き物でも有名なこの屈斜路湖。
屈斜路カルデラの北西部にある周囲57km、面積79.7平方キロメートル、
最大水深117.5mにもなる淡水の大火口原湖だ。
これは、阿寒国立公園中最大で、日本でも6番目の大きさで、湖のいたる
所には小さな流入河口がいくつもみられ、これらが釧路川となり流れ出
している。
昭和13年に湖底噴火を起こして湖が酸性化し、魚がほぼ生きられない
いわば死の湖でもある。
湖面がコバルトブルーに見えるのはそのせいだ。
この湖の東側には、砂湯、池の湯、仁伏、和琴などの温泉が沸き、湖上
には、カルデラ生成後に噴出してできたとされる中島が浮かんでいる。
この湖は冬の氷結時には大変巨大な「御神渡り」も見ることが出来る。
高さは2mを超えるものもあるようで、その大きさは想像を絶するだろう。
音と景色は、なかなか壮観らしいので、一度見てみたいものだ。

この湖から突き出した和琴半島は小さな古い火山島で、森に囲まれて冬
でもかなり暖かい。
全域が車の通行が禁止で自然散策路が整備されている。
波打ち際には茶色のマリゴケが沈んでいるが、これは酸性化で死んだマリモ
の残骸だ。
半島の先端にはオワッコツ地獄という噴出口があり、周辺にはコオロギが
冬でも鳴いていたりする。
またここにはミンミンゼミも生息しており、他とは比べ物にならない暖かさ
である事を証明している。
6月下旬から9月上旬にはキャンプ場も使えるが、予約制なので注意。

屈斜路湖の中島は周囲12kmあり、この周りを巡る遊覧船が運行している。
砂湯の南3kmの場所にある池の湯から30分コースと50分コースがある。
4月下旬〜10月上旬運行。

いなせレジャーランド遊覧船事務所
TEL:01548-4-2223

■ 砂湯 ■

その屈斜路湖畔でも最もにぎやかな観光地が、この砂湯だ。
手でざくざくと少し掘るだけで、暖かい温泉が出てくる。
この湖の砂浜からは50℃の単純温泉が沸いており、
枠で囲まれてお湯
が満たされている所
がある。
……つまり、この木枠の中でなら浸かれますよ、という事なのだが、近くは
ボート乗り場、左手に顔を向けるとすぐに売店、というとても開放的すぎる
露天風呂のため、昼間に入浴できる人間がいたとしたら、それはよほどの
バカか豪傑だ(笑)
夏場なら、砂を掘って水着で浸かるのもいいかもしれない。
ここで借りることができるカナディアンボートもなかなかの人気だ。
また、6月下旬から9月上旬には貸しテントもあり、砂湯キャンプ場で活用
できる。
また、この砂湯から3kmほど南下していくと、「池の湯」という露天風呂がある。
いなせレジャーランドキャンプ場をベースに入浴を楽しむ人が多く利用している。
中島に近く、眺めもいい所だが、お湯がぬるま湯なために入浴は夏場のみになっ
てしまうのがちょっと残念。
冬は白鳥が水浴びに来たりする露天風呂としても有名だ。

砂浜は駐車場近くにすぐあり、湖からは風は吹いてくる。
タクシーから降りると少し風が肌寒い感じで、もう一枚羽織ってくれば
よかったかな、と思われる寒さだった。

……う、マジ寒いよう……(ーー;)

運転手さんに言われるままに、屈斜路湖畔の砂浜を素手で掘ってみる。
すると、あっという間に想像以上に熱い湯が溢れてきて、少しびっくり。
わーい、お湯お湯……( ̄▽ ̄ )

あちゃーーーーっΣ( ̄□ ̄;ノ)ノ

50℃の湯というのは、風呂で言うなればかなり熱い状態なので、一瞬熱くて
手を引っ込めてしまった。
砂を触ってみると暖かさがあり、蒸し風呂などもなかなかいけそうだ。

外が少し寒かった事もあったため、手だけお湯に浸かりながらちょっとだけ
くつろぐ。

はああ……あったかい(* ̄▽ ̄*)

ここのお湯は飲めば胃腸に効くらしく、
売店前には飲泉コーナーもある
飲めるのか……いや、飲みませんでしたが(^^;)

さて、バスの時間までそう余裕がある訳ではないので、タクシーに乗り込んで
次の目的地に向かう事にした。
お次は摩周第三展望台だ。

タクシーは川湯温泉を南下し、硫黄山の近くを通る。
大きな禿げ山が、白い煙を上げている。

「ここも有名な観光地ですよー。ここは観光バスで通るんでしたね」

運転手さんはそう言いながら、硫黄山を通りすぎ、車は林の中へ。

「ここらへんって、何故か森って少ないんですよね。ここらへんのような
 林はあるんですが、森は少ない。面白いものです」
「そういや、裏摩周展望台や、神の子池も、林の中ですか?」
「ここからだと、かなり遠いですねー、あそこは。 
 それに、神の子池は、ちょっと怖いですよ」
「怖い?」
「途中で車を停めて、奥まった山の中を行かないといけないんですよ」
「大変そうですね、たどり着くのが(^^;)」
「ええ、そうですね(^^;)」

ちょっとここで、上記ふたつについて紹介しておきます。

■ 裏摩周展望台 ■

清里町市街地から道道1115号で、約34kmの位置にある清里峠から右折し、
道道150号を2.5km進むと見えてくる。
この道道150号の道は、冬期は通行止めになるようなので注意。
標高が低く湖、カムイヌプリの北にあるために、夏期も霧が少なく、湖が
よく見える日が多い。
また、ここにある丸太で作られたビジターセンターでは、夏でもストーブが
焚かれていたりする。
またこの展望台の近くには、摩周湖カルデラから湖面に続く踏跡があるが、
森林事務所の許可が必要なので、絶対に下りないように。マジ危険です。
緑駅から車を使うというテもあるのだが、タクシーがそもそも拾えない
ので、却下の方向で(笑)

■ 神の子池 ■

清里町市街地から道道を清里峠方面へ25kmほど進み、そこからハトイ林道
(冬期通行止め)へ右折。2km林道を進むとある、小さな池が、神の子池だ。
摩周湖の伏流水が湧出している所が20箇所近くもあり、天候によって、
その泉の色が刻々と変化していく。
その神秘的な様子から、神の子池と言われるようになった。
一度行ってみたいと思うが、さすがに公共交通機関やタクシーではどうしようも
ない場所にある。隠れた名スポット、といった所だ。
だが最近ではかなり有名になり、観光客の出すゴミなどが心配される。

タクシーは、高台へとずんずん登っていく。
うわー、結構高い位置にあるなぁ。
まあ、そうでなければ展望台とはいわないが(^^;)
道の途中でタクシーが停まる。

「さあ、着きましたよ」

え? こんな道路の途中で?
た……確かにバス停はあるようだが、長くは停まれないな。
……観光バスが通過する訳だ(^^;)
路肩に車を停めて運転手さんが向かう先を見ると、階段がある。
高台へ登ってみると、そこはなかなか眺めの良い展望台と眺望が広がっていた。

■ 摩周湖 ■

アイヌ語で神の湖、『カムイトー』と呼ばれる湖。
北海道観光でも抜群の知名度と人気を誇る名スポットが、この摩周湖だ。
約300mの絶壁に囲まれ、湖面に人間が近寄る事を許さず、摩周岳により
雲海ができやすいことから、『神秘の湖』と呼ばれている。
この湖は、摩周火山の山頂にできたすり鉢状のカルデラ湖で、水深は最大で
212mとかなり深い。
有名な湖の透明度は、昭和5年に41.6mと世界最高値を記録、その後やや
落ちたものの平均で25mのトップクラスの透明度を今でも誇っている。
雨水を受けるのがカルデラだけと狭く、流入する沢もないのに、何故か
水位が全く変わらないという不思議な特徴もあり、湖底に湧水地があると
推定されている。
またこのような特徴のためプランクトンが繁殖しにくく、それが湖面の
透明度の高さを保っている理由でもある。

摩周湖は大変霧がかかりやすい。
6〜8月あたりがピークで、釧路湿原・根室沖から流入してくる海霧が標茶
あたりで温められて雲にかわり、盆地状の摩周湖にひっかかって居残る霧と、
温度・湿度が高い時に湖面から立ち上る霧の2種類ある。
方角的に、第一展望台が真っ先に雲に覆われてしまう。
弟子屈町や川湯温泉から摩周岳山頂や外輪山が見えれば、まず間違いなく
湖面は見えるらしい。
基本的に午前11時〜夕方4時ごろが一番霧に覆われやすく、観光客が霧に
当たりやすいのは、観光の時間にも原因がある事が多い。

初めての摩周湖観光で湖面が見えたら、その人は晩婚、とかいうゴシップ
もあるが、まあ、湖が見えなかった人間の、見えた人に対するやっかみと
ひがみが生み出したただの噂だ(笑)
ちなみに、湖底には枯れた木々が多数沈んでいるらしく、ここに落ちたり
したら、枯れ枝に引っかかって二度と浮かんでこられないらしい。
……こわっ( ̄▽ ̄;lll)

■ 摩周第三展望台 ■

第一展望台から北に2kmの位置にあるのが、この第三展望台だ。
標高が高い所で、西に目を向けると、硫黄山全体が奇麗に見える高さだ。
しかし高いが故に雲海に遭遇しやすいという特徴がある。
コンクリートで整地されただけの、売店もない質素な展望台だ。
広い駐車場もないため、第一に比べると比較的人が少ない穴場といえる。
ここから見すぐそばに見える小さな島……カムイッシュは、近くに見えるが
実は第三展望台から2kmも遠くにある。
摩周湖自体の大きさと展望台の標高の高さの見せる錯覚だ。

このカムイッシュにはアイヌの悲しい昔話が残っている。
この摩周湖のあたりで戦乱が起こり、孫を連れた老婆もこれに巻き込まれた。
老婆は逃げ惑う中で孫とはぐれてしまい、孫を探し続けるうちに、摩周湖の
近くまでやってきた。
浸かれ果てていた老婆は神様に頼み、この湖で休ませてもらう事にしたが、
精魂尽き果てて湖の真ん中で息を引き取った。
そしてその体は、そのまま小さな島になったのだという。

逸話に悲しい話が多いのは、それだけ昔の人が現代人よりも生活に苦労が
あり、死に近い生活を送っていた証拠だ。
しかし、悲しい話にチャチャを入れるつもりはないんだが……
でっかいばあちゃんだなー。でいだらぼっち級…( ̄▽ ̄;)(コラコラコラ(笑)

階段を登ると北へ整備された通路が伸びており、そこから展望台へと
向かう。
少々風が強く寒かったが、それを吹き飛ばすような景色が、目の前に広がった。

おおお、これはいい眺め!

この日は快晴で、雲一つない湖は、静かに湖面を風に揺らせていた。
いやーー、しかし本当に良い眺めだな〜〜。
運転手さんに記念写真を撮ってもらい、自分でも摩周湖を写していく。

阿寒パノラマコースの観光バスが川湯バスターミナルから出発するのが
午前9時15分。
それまでにはホテルを出ておかなければならないため、ここも長居はできない。
名残おしい気もしたが、写真を撮りながら摩周第三展望台を後にすることに
した。

タクシーはここから第一展望台へ。

2kmしか離れていないため、話をしながらすぐに到着。

どうもここは駐車料金をとられるらしく、タクシーの運転手さんは、何やら
チケットを渡して中へ。

■ 摩周第一展望台 ■

弟子屈市街に最も近い展望台がこの第一展望台。
レストハウスや土産物店もあり
駐車場もあることから、第三や裏摩周とは
段違いの賑やかさを見せる展望台でもある。
北海道でもかなり有名な観光スポットのひとつとして、多くの観光客
の感動の声が聞こえてくる所だ。
対岸には摩周岳(カムイヌプリ)がそびえ、なかなかよい眺めが広がる。

神秘の湖には不釣り合いな賑やかさを見せる展望台だが、朝もまだ早い
ため、観光客もあまりおらず、ゆっくりと堪能することができた。
展望台も観光客でごったがえす事もなく、短時間だが、ぼ〜〜っと
摩周湖の景観を楽しむ。
少し曇っていたからか、あまり湖面は青く見えない。
と、そこに元気な
おばちゃま軍団が現われ、きゃいきゃいと(笑)

「あっ、おにいちゃん、ちょっと写真撮ってくれる? あー、ありがとーー」

そのおばちゃまと写真を撮り合いながら談笑し、摩周湖を後にする事にした。

奇麗な林を抜けていく間、運転手さんとここ一帯の自然について話をする。

「このへん一帯は、国の自然保護区に指定されてましてね、枝を折ったり
 するだけでも捕まるんですよ」
「え、じゃあ、木の実や山菜とかも……」
「もちろん、採ったりしたら即逮捕ですよ(^^;)」
「捕まった方とかいるんですか?」
「去年あたり、一人捕まってますね。まあ、結構な数、山菜採りしている
 人いますからねぇ。たぶん、見せしめの意味を込めての逮捕でしょうね」
「なるほど( ̄▽ ̄;)」

自然を護るにも、国の管理が必要な時代になってしまったらしい。
それはそれで、ちょっと寂しい気もしないでもないが……。

さて、時間は8時くらい。
まだもう一箇所くらいなら、どこかに寄っても大丈夫そうだ。

「時間がありますね。硫黄山に寄っていきますか?」
「うーん、どうせついでだから……お願いします( ̄▽ ̄)ノ」

■ 硫黄山(アトサヌプリ) ■

年齢1700歳のおじいちゃんです( ’▽’)(ぉ(笑)
屈斜路湖のカルデラの中央付近地区で噴煙を上げ続ける、標高512mの
活火山がこの硫黄山だ。アイヌ名は、『アトサヌプリ』。
これは『裸の山』という意味があり、まさに名は体をあらわす、といった
所だろう。
山肌からは無数の蒸気が噴出しており、阿寒国立公園の中では、雌阿寒岳
とともに、火山らしい容貌を見せ続けている。
山頂の爆裂火口は『熊落とし』と呼ばれており、約500年前に誕生した。
この山は、噴き出す蒸気を間近で見る事ができる。
この噴出口は山頂まで続いており、麓には硫黄ガスで枯れたハイマツの
残骸が異様な姿をさらしている。
この山は、溶岩が地上に押し上げられて固まった溶岩円頂丘で、1700年前
に生成されたとされている。
近くには標高500mほどのマクワンチサブ、サワンチサブといった火山丘
が点在しており、硫黄山周辺でも、小さなカルデラを形成している。
明治20年ごろには硫黄山〜標茶町間にアメリカ製SLが運行し、硫黄を運んで
いた。現在この線路跡は、『青葉トンネル』というミズナラの樹林の中を
歩く遊歩道になっている。
硫黄山は硫黄ガスの影響で山が禿げ上がっている。
まさに死の山といった感じだが、なかなかの迫力だ。

この硫黄山の前には大きな駐車場があり、レストハウスもある。
観光バスが必ず立ち寄る名所であるため、奇麗に整備されているようだ。

タクシーから降りて、硫黄山に近づくと、シュウシュウと音をたてて、
蒸気が黄色く変色した岩の間から噴き出している。
火山活動を間近で見られるというのはなかなかない経験なので、何枚か
写真に撮っておく。

数十分の見学の後、ホテルに向けて出発する事にした。
時間は8:30すぎ。
帰るとちょうどいい時間かもしれない。
タクシーの中で運転手さんに聞いたところ、朝の散歩のようなものを、
温泉街では行ってくれるらしい。
この硫黄山周辺から、川湯相撲記念館までは『つつじが原自然探勝路』が
整備されており、つつじの大群落がある。
6月中旬から7月上旬までが一番の見ごろで、ボランティアが案内する
散策会が1時間の散歩として行われているそうだ。

■ つつじが原朝の散策会 ■

川湯温泉宿泊客対象。
6月10日〜9月10日までの期間実施。
早朝5:45までに川湯郵便局前・朝の散策会広場に集合。
所要時間1時間、無料。
帰りは川湯温泉に向けて無料送迎バスが走っている。

まっすぐにホテルに到着。時刻は8:40。

「これからバスターミナルにいくんでしょう? サービスで送ってあげますよ」
「え、いいんですか?」
「まあ、すぐそこですから」

運転手さんのご好意に甘えて、送ってもらう事にした。
準備をして、川湯グランドホテルを9時ちょうどにチェックアウト。
お世話になりました(^^)

タクシーで阿寒バスターミナルに到着、タクシー料金を払って、お礼をいい、
ターミナルへと向かう。

「ありがとうございました〜」
「よい旅を〜(  ̄▽ ̄)ノシ」

……と、ここで長くなったのでページを分けます。
次は阿寒パノラマコースに乗って、再び硫黄山、摩周湖、そして阿寒湖へと
向かいます。

では、次のページへどうぞ〜(^^)/


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